スーパー大回転で3連覇、滑降で連覇を狙う狩野亮(写真・アフロスポーツ)

 障がいのあるアスリートにとって4年に1度の世界最高峰の舞台、パラリンピック冬季大会が3月9日、韓国平昌(ピョンチャン)で開幕した。12回目を数える冬季大会としては過去最多となる49の国などから約570選手が参加、10日間、6競技80種目で鎬を削る。

 大会スローガンはPassion. Connected.(ひとつになった情熱)。史上最多メダルに沸いたオリンピックチームの勢いに乗ってパラアスリートたちの躍動にも期待だ。

 日本から出場するのは車いすカーリングを除く、アルペンスキー、スノーボード、クロスカントリースキー、バイアスロン、アイスホッケーの5競技で38選手と競技ガイド1名となる。
 
 アルペンスキーは「雪上のF1」とも呼ばれ、種目によっては時速100kmを超えるスピード感が魅力だ。オリンピックとほぼ同じルールで、旗門の数と滑走距離の異なる5種目が男女別に実施される。ただし、パラリンピックでは選手の障がいの内容により、座って滑る座位、立って滑る立位、視覚障がいの3カテゴリー別に競われる。

 さらに選手はそれぞれの障がいの程度によって「クラス」にも分けられ、公平な競技のため、「計算タイム制」が導入されている。ゴルフのハンディキャップのようなもので、簡単な例を挙げると、立位カテゴリーで、もし実走タイムが同じ場合、腕の障がいの選手より脚の障がいの選手が上位となる。

 このアルペンスキーには日本から9選手が出場する。特にチェアスキーと呼ばれる用具で滑る座位カテゴリーは、過去大会で最多メダルを獲得しているお家芸。注目選手はスーパー大回転で3連覇、滑降で2連覇を狙う狩野亮(31、マルハン)。「ここまできたらやるだけ。楽しんでベストパフォーマンスを出せれば結果はついてくると思う」と、心境を語る。
 また「得意の回転でもう一度表彰台に上がりたい。手をあげてターンする独特のスタイルを見てほしい」という鈴木猛史(29、KYB)が回転で2連覇を狙う。

 過去4大会でメダル4つ(銀3、銅1)を獲得し、悲願の金を狙うのが森井大輝(37、トヨタ自動車)。
 3人での「表彰台独占」が目標で、森井も、「世界最強のチーム。多くの支えに感謝して、平昌ではこれまでのメダルとは違う、いい色のメダルを獲りたい」と決意を口にした。

「雪上のマラソン」と呼ばれるクロスカントリースキーと、さらに射撃を組み合わせたバイアスロンには9選手がエントリー。それぞれ走行距離などが異なる3種目が男女別で行われる。アルペン同様、3カテゴリーがあり、計算タイム制で競う。

 クロスカントリーでは6大会連続出場の“レジェンド”新田佳浩(37、日立ソリューションズ)が2大会ぶりの金メダル奪還に挑む。
「4年間やってきたことをすべて発揮するとともに、スキーの難しさ、楽しさをここで表現したい」
  鍛え上げた脚力と右手1本のストックによる力強いフォームに注目だ。

また、2大会連続出場で成長株の阿部友里香(22、日立ソリューションズ)、3大会連続出場で、トライアスロンでも2016年リオ・パラリンピックに出場した「夏冬二刀流」の佐藤圭一(38、エイベックス)らが表彰台を狙う。