遠藤(左)をマークする名古屋の超新星DFの菅原(右)(写真:フォトレイド/アフロ)

 今シーズンの開幕に合わせて数種類が発売されたJリーグの選手名鑑のなかに、名古屋グランパスの最終ラインを支える17歳の新星、菅原由勢(ゆきなり)を見つけることはできない。

 素顔は名古屋市内の東海学園高校に通う2年生。名古屋グランパスU-18に所属したままトップチームの公式戦に出場できる、2種登録選手として登録されたのが2月23日。ガンバ大阪の敵地に乗り込んだ明治安田生命J1リーグ開幕戦の前日だったから、名鑑の締め切りには到底間に合わない。

 しかも、サプライズには続編が用意されていた。ガンバ戦で先発メンバーに大抜擢され、センターバックとしてフル出場。随所で好プレーを披露して、2年ぶりにJ1の舞台に帰ってきた名古屋の逆転勝利に笑顔を弾けさせた。

 17歳7ヶ月27日でのJ1開幕戦先発出場は、現在は北海道コンサドーレ札幌でプレーする元日本代表MF稲本潤一が、ガンバ時代の1997シーズンに樹立した17歳6ヶ月25日の最年少記録に次ぐ歴代2位のレコードだった。

 愛知県豊川市で生まれ育ち、地元のASラランジャ豊川から2013年に名古屋グランパスU-15へ入団。このときから名古屋の一員として、自身の名前と背番号が記されたユニフォームを着てプレーすることを夢見てきた少年は、3日のジュビロ磐田とのホーム開幕戦、そして再び敵地に乗り込んだ11日の湘南ベルマーレとの第3節でも「41番」を背負って先発フル出場を続けている。

 湘南戦では予期せぬアクシデントも起こった。開幕戦からセンターバックのコンビを組んできた、ブラジル人のホーシャが後半開始早々に右足首を痛めてしまう。一度はピッチに戻ったものの自らプレー続行不可能を訴えて、同10分に櫛引一紀との交代を余儀なくされた。

 しかし、最終ラインを統率するパートナーが突然変わっても菅原が動揺することはなかった。むしろ泰然自若としていた点に、指揮を執って2年目になる風間八宏監督が開幕直前の段階で練習に参加させ、先発に抜擢した理由が凝縮されている。

「ホーシャ選手ともしっかりコミュニケーションは取れているんですけど、日本人の櫛引選手だったので、より細かく、具体的に(守備の)改善策を出せました。そういった面では、別に問題はなかったと思っています」