21歳の村岡桃佳が大回転(座位)で悲願の金メダル(写真:田村翔/アフロスポーツ)

 今大会金メダル第1号、村岡桃佳(21、早大)の目から涙があふれた。

「真ん中に立ちたいな、と思っていましたが実際に立つと夢見心地でした」

 平昌パラリンピックのアルペンスキー女子大回転(座位)が14日・旌善アルペンセンターで行われ、村岡が悲願の金メダルを獲得した。村岡は、ここまで滑降で銀、スーパー大回転と、スーパー複合(いずれも座位)で、それぞれ銅メダルを獲得しており、4つのメダル獲得は、冬季五輪の日本代表としては、1998年の長野五輪アイススレッジスピードレースでの土田和歌子らに並ぶ最多。また金・銀・銅の完全制覇も、長野五輪の大日方邦子以来となる快挙だ。今大会での日本勢として初の金メダルとなった。

 女子大回転は、2回の滑走の合計タイムで争われるが、村岡は、1回目からトップに躍り出た。2位に1秒40差をつけたが「ひとつのミスで抜かれるタイム」。プレッシャーがかかる最終滑走。「落ち着いている自分がいた」という。
 
 2本目のレースでは雪面が荒れているように見えていたが、チームスタッフからの無線連絡で「そんなに荒れていない」との報告があった。

「金を取るなら今日しかない。フルに攻めて勝つか、転ぶか、どっちかの滑りをしよう」

 村岡は、守るのではなくトップを取るための勝負に出た。
 
 一つ目の旗門で、体が硬くなっていることに気づき、体の使い方を修正していくという冷静な滑りで2位のリンダ ファンインペレン(オランダ)に2秒以上の差をつけての完勝だった。

 パラリンピックの公式サイトは「村岡桃佳が日陰から脱出!」との見出しで、「村岡が大回転で有力選手たちを退けて日本に最初の金メダルをもたらした」と伝えた。

 記事は「21歳の村岡、は女子座位の競技のこれまでのキャリアで、ずっとドイツのアンナ・シャッフェルフーバーと、オーストリアのクラウディア・レシュの後塵を拝してきた。だが、水曜日は違うストーリーとなった」と紹介。

「46の全てのターンを機敏にこなし、1回目に1分13秒47でトップに立った。2014年のソチ五輪では表彰台を逃して2017年の世界選手権で3位に入っていた村岡のレースは危なげなかった。合計タイムでは、予想外に2位に入っていた32歳のリンダ・ファン・インぺレンに3秒近く差をつけた」と、そのレース内容を絶賛した。
 
「金メダルを取れてほっとしている。スキーをやめて他のやりたいことをしたいと思ったこともあったが、すべてを乗り越えて金メダルを取れてよかった」との村岡のコメントも掲載されている。