写真:アフロ

 仮想通貨取引所「コインチェック」から580億円相当とも言われる仮想通貨「NEM」が流出した騒動は世間に大きな波紋を広げる中、同社のCMに出演していたお笑いタレント・出川哲朗までもが一部からバッシングを受けることになった。

イメージを売り物にするリスク

 芸能人や著名人にとってCM出演は、多額の出演料が発生する大きなビジネスだ。

 その一方で、ギャラと引き換えに出演するCMのクライアント企業やCMで扱われる商品の“顔”になることで、今回の出川のケースに限らず、不祥事などに巻き込まれるとタレントイメージを損なうなどそれなりのリスクもはらんでいる。

 もっとも、そもそもがタレント側もそのイメージを売り物にしてCMの仕事を得ているわけで、こうしたイメージに対するリスクはタレント側、クライアント企業側の双方が持ちあわせている。逆にCM出演タレントが不倫騒動などを起こして、出演するCMのクライアント企業に迷惑を掛けるケースも多々ある。

 そのうえで、芸能人サイドはCM出演にあたり、どのようなリスクヘッジをしているのだろうか?

断りたくない仕事ゆえのリスク

 テレビCMにも出演する女性芸能人を担当する芸能事務所のマネジャーはこう明かす。

 「CMの仕事に関しては広告代理店などが仲介するケースが多いので、そうした場合は大きなトラブルにならないように広告代理店がタレントの“身体検査”を行ったり、クライアント企業の経営状況などを調べたりもします」

 また、中にはCM出演を望むクライアント企業から直接、所属事務所にオファーがするケースもあるそうで……。

 「その場合、コチラの方で多少はクライアント企業を調べたりすることもありますが、そこまで積極的な調査はしません。CM出演についてはタレントや事務所にとっても大きな収入になる、できる限り“断りたくない仕事”ですし。コチラが出資するならともかく、出資してくれる企業を疑いたくないという心理は正直、働きますよね」(同芸能事務所のマネジャー)

 こうした所属事務所サイドの“心理”は、近年の芸能界を取り巻く環境の変化によってさらに強まっているとか。

 CMの台本も手掛ける放送作家は語る。

 「芸能界もけっして景気が良いわけではなく、短時間の拘束で高収入が得られるCMの仕事のありがたみはますます大きくなっています。それに、テレビ不況の影響でテレビCMのギャラは総じて下がっていますが、そのぶんインターネットの普及により、ギャラはテレビCMほどではなくても、CMの仕事自体は増えているんです。タレントがCMに出演する機会が増えれば当然、それに付随するトラブルも増えていくのではないでしょうか」

 とはいえ、CM絡みのトラブルで直接バッシングの矛先を向けられる芸能人からしてみれば、くれぐれも仕事の取り扱いには注意を払ってほしいといったところか。

(文・竹下光)

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