国連の関連機関がまとめる「世界幸福度ランキング」において、日本の順位がさらに低下しました。このような国際機関が発表する各種ランキングに対しては、各国の実情や文化をよく理解していないといった批判の声が寄せられることがあります。果たして、このランキングには、どの程度の客観性があるのでしょうか。

写真:アフロ

 3月14日に公表された2018年版のランキングによると、日本の幸福度は156カ国中54位となり、前回から3つ順位を下げました。こうしたランキングは豊かな小国が上位になる傾向が強く、規模の大きい国は不利になります。それでも先進各国の順位を見ると、ドイツが15位、米国が18位、英国が19位、フランスが23位ですから、日本のランクは著しく低い結果といってよいでしょう。ちなみに韓国は57位、ロシアは59位、中国は86位です。

 このような国際比較については、一部から、外国と比較しても意味がない、客観性に欠けるという意見が寄せられることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。

 当然のことですが、ランキングの結果を左右するのは、評価項目の中身です。このランキングでは、主に、1人当たりGDP(国内総生産)、ソーシャル・サポート、健康寿命、人生の選択をする自由、寛大さ、腐敗の度合い、などが評価の対象となっています。

世界幸福度ランキング(1〜75位)

 日本は1人あたりのGDPの順位を大きく落としていますから、ここは不利な結果をもたらすでしょう。ソーシャル・サポートは、親戚や知人による助け合いですから日本に有利ですし、長寿国でもありますから、健康寿命の項目も上位になります。

 一方、人生選択の自由や寛大さについては数値が小さくなっていますが、これについては同意する人が多いのではないでしょうか。少なくとも日本社会が極めて寛大だと思っている人は少ないと思います。このようにして見ると、評価項目とその結果については、それほどおかしな内容にはなっていないことが分かります。

 またこのランキングでは興味深い取り組みも行われました。その国で生まれた国民に加えて、移民を対象にした幸福度調査も行っているのです。

 驚いたことに、全国民に対する調査結果と、移民に対する調査結果は似通っています。異なる文化圏出身の人でも、ランキングが上位の国に住むことで幸福度が上がるということは、幸福度合いというものは、文化や民族にはあまり関係ないということが分かります。やはり、一連の調査にはある程度の客観性があるとみてよさそうです。

 ちなみに日本の場合、移民に対する調査では25位と順位が上昇しています。相対的に言えば、日本は自国民に厳しく、移民に優しい国ということになります。

(The Capital Tribune Japan)

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