内閣府の世論調査で、日本が戦争に巻き込まれたりする危険が「ある」と答えた人の割合が過去最高を記録しました。北朝鮮情勢などが影響を与えている可能性があります。

テレビ画面に映し出された北朝鮮ミサイル発射のニュース 2017年8月29日撮影(アフロ)

 この調査はほぼ3年に1回行われているもので、今回の調査は18歳以上の3000人に対して実施されました。それによると、日本が戦争を仕掛けられたり戦争に巻き込まれる「危険がある」と回答した人は85.5%となり過去最高を記録しました。

 過去の調査結果を見ると、「危険がある」と回答した人の割合は、1990年半ばまでは、おおよそ50%前後で推移していました。1980年から85年にかけては少し割合が上がっているのですが、これは、旧ソ連がアフガニスタンに侵攻し、西側各国がモスクワオリンピックをボイコットしたこと(1980年)や、フォークランド紛争(1982年)などが影響している可能性があります。

 その後、旧ソ連崩壊などがあり、割合は低く推移していましたが、2000年あたりから目に見えて割合が上昇しています。もっとも大きな影響を与えたのは、やはり2001年に発生した9.11テロでしょう。その後、一旦落ち着くかのように見えましたが、割合は上昇を続け、あっと言う間に80%を超えました。近年の上昇は、中国の脅威や北朝鮮問題が影響していることは間違いありません。

「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」より

 では、こうした戦争のリスクへの対処については、日本人はどのように考えているのでしょうか。日本の安全を守るためにはどのような方法をとるべきかという質問に対しては「現状どおり日米の安全保障体制と自衛隊で日本の安全を守る」と答えた人の割合が81.9%に達しています。

 この割合も年々上昇しており、戦争のリスクが高まると感じる中で、現実的な手段がよいと認識する人の割合が増えたことが推察されます。現実問題として、日本単独の軍事力では限界がありますから、極めて常識的な結果といってよいかもしれません。

 ただ、そうなってくると、米国が日本のことをどう考えているのかが極めて重要となります。トランプ氏はこれまでの政権とは異なり、米国ファーストを掲げています。米国は、かつては孤立主義を掲げていた時代があり(モンロー主義)、ひとたび国際問題に背を向けると、他国には一切関心を払わなくなるという特徴があります。大統領選の最中には、何と日米安保の見直しにも言及しています。

 日本人の多くが日米安保を安全保障の基軸として認識している以上、米国との二国間関係はこれまで以上に重要になりそうです。

(The Capital Tribune Japan)

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