森友問題をめぐって財務省が決裁文書を書き換えていたことが明らかとなりましたが、ネット上ではブロックチェーンの技術を公文書管理に応用すれば、このような事態を防げるのではないかと議論が盛り上がっているようです。

写真:アフロ

 財務省は、学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐって、決裁文書を書き換えていたことを認めました。これらの決裁文書は紙で作成されており、起案者が作成した内容がチェックされながら、最終的な決裁権者まで上がっていくことになります。

 決裁文書が上までに上がって行くには、それぞれの管理職(係長、課長補佐、課長など)が内容を精査しますから、順次、文章の中身は変わっていきます。しかし、今回の場合には、最終的に出来上がった文書を書き換えたという話ですから、極めて深刻です。

 文書の書き換えが問題となる中、ネット上ではブロックチェーンの技術を使って公文書を管理すればよいという議論が盛り上がっているようです。

 確かにブロックチェーンの技術を使えば、誰がいつ内容をどのように書き換えたのか、すべて記録に残りますし、履歴の元本である台帳も分散されていますから、事実上、記録が消滅する可能性はゼロです。もちろん既存のシステムでもこのような仕組みを構築することは可能ですが、かなりのコストがかかると考えられます。ブロックチェーンの場合、やり方によっては極めて安価に仕組みを構築できますから、こうした用途にはうってつけでしょう。

 すでに米国では、不動産の登記(厳密には売買の履歴)を、ブロックチェーンによって行う制度を実用化した自治体も現れています。

 このようにブロックチェーンに大きな潜在力があるわけですが、日本の場合、このような画期的な仕組みを実用化するのは一筋縄ではいかないかもしれません。

 もともと日本は公文書の管理が甘く、官庁が独断で書類を破棄するケースはザラにあります。すべての文書が電子的に管理されてしまうと都合が悪いという人は少なくないでしょう。

 また、政府が保有する情報システムには多額の税金が投入されていますが、特定企業が受注することが多く、民間システムと比較するとかなりの高額になっているとの指摘が以前からあります。実際、作ってはみたものの動作させることができず、巨額の開発資金をすべてドブに捨ててしまったケースもありました。

 日本において新しい技術を活用していくためには、前近代的な組織文化というものを根本から見直していく必要があるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)