[写真]平昌五輪ではカーリング女子が試合中に交わした「そだねー」という北海道弁が話題になった(長田洋平/アフロスポーツ)

 平昌冬季五輪で初のメダルを獲得したカーリング女子日本代表「LS北見」の選手たちが試合中に口にした北海道弁「そだねー」を、北海道の製菓会社「六花亭製菓」(北海道帯広市)が特許庁に商標登録を出願しました。固有名詞ではなく、しかも方言の出願ですが、果たして商標は、どんな言葉でも登録することができるのでしょうか。認められない事例にはどんなものがあるのでしょうか。

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「サニーレタス」「チバ」などは認められず

 六花亭製菓が「そだねー」の商標登録を出願したのは3月1日。同社の佐藤哲也社長は「『そだねー』は温かみのあるよい北海道弁だと考えて」申請したと話しています。

 商標とは、自分が提供する商品・サービスと、他の人(もしくは会社)の商品・サービスとを区別できるようにするための「しるし」。文字のほか、図形、記号などを登録できます。

 特許庁によると、商標登録を出願するには、商標とともに、その商標を使いたい商品・サービスの種類も示す必要があります。商品・サービスがないのに、言葉だけ、あるいは記号だけを出願しても登録されません。今回、六花亭製菓は「菓子およびパン」に使う旨を出願書類に記しています。

 商標登録の審査では「自分と他人の商品・サービスとの区別ができるかどうか」が問われます。例えば「スマートフォン」や「クリーニング」など、商品・サービスの一般的な名称として、すでに知れ渡っている言葉では、出願しても登録されません。過去、サニーレタスの商標として「サニーレタス」を出願したところ、すでに他の生産者もサニーレタスとして販売しているため区別がつかない、として認められなかったケースがあります。

 「ありふれた名前」のみの商標も同じ扱いです。「チバ」という商標を「印刷物や書画、彫刻、写真、これらの附属品」に登録しようとした事例では、他の「千葉」さんが手掛ける同じような商品と区別できないとして認められませんでした。

 このほか、海外の国旗など、「公共の機関の標章と似ていて公益性に反する」場合、「すでに他人が登録している商標と似ている場合」も登録されません。これら、商標登録に関するルールは、商標法で定められています。

 「そだねー」が商標登録されるかどうか、特許庁では、未審査なのでまだ分からないとしています。審査について、商標に詳しい弁理士の前田大輔氏は「同じ分野の商品で、先に似たような名前が登録されているか否かがポイントの1つ」と指摘します。もしも六花亭製菓よりも先に、別の菓子メーカーが「そだね―」かそれに似た言葉を菓子の商標として登録済みだった場合、区別がつかないので登録は難しいとみます。もっとも「自動車など別の分野の商品・サービスの名前として登録されている場合は、消費者は混同しませんから登録される可能性もあるでしょう」と語ります。

 特許庁への商標の出願件数は年間12~13万件。出願から審査に入るまでに7~8か月かかるといいます。審査自体には時間がかからないため、申請内容に判断に困るような大きな問題がない限り、今年の10月か11月ごろには審査結果が出る見込みです。

(取材・文:具志堅浩二)

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