ノロウイルスによる食中毒が相次いでいる長野県は27日、全県にノロウイルス食中毒注意報を発令しました。3月の3件、2月末の発生1件を含めるとここ1か月間に4件が相次ぎ、患者は60人近くに上っています。飲食店の料理などが主な原因食品です。これによって食中毒全体の患者数は前年同期比で約2倍に。ノロウイルスは感染力が強いため、県は手洗いや料理の加熱、料理道具の殺菌などを徹底するよう呼び掛けています。

【写真】食中毒注意報が相次ぐ「怪しい食べ物は思い切って捨てる」

ここ1か月で4件発生

[表]月別ノロウイルス発生件数の年次推移(厚労省資料から)

 ノロウイルスによる食中毒は3月26日に松本市で2件判明しました。1件は同市内の飲食店で3月16、18、19の3日間に食事をした3グループ26人のうち20代から70代の男女14人が腹痛、吐き気、倦怠(けんたい)感、下痢などの症状を示し、患者からノロウイルスを検出。この飲食店の食事が原因と断定しました。患者は快方に向かっています。

 もう1件は3月16日に市内の別の飲食店で食事をした1グループの20人のうち10代から50代の男女12人が17日夜からおう吐、下痢などの症状を示し、検査でノロウイルスと判明。同店の食事が原因と分かりました。

 この2件とも飲食店の調理担当者のそれぞれ1検体からノロウイルスが検出されました。

 さらに訪市内の飲食店で3月15、16日に食事をした2グループ、35人のうち20代から40代の男女20人がノロウイルスによる食中毒になりました。

 2月28日には下伊那郡内の仕出し店が調理した仕出し弁当を食べた15人のうち12人がノロウイルスによる食中毒を発症。店の調理担当者からもノロウイルスが検出されました。これら4件の患者数は計58人になりました。

患者数は昨年度の倍に

 県によると、2017年度の現時点までのノロウイルス食中毒の発生件数は7件、患者数は計231人。ノロウイルスを含む食中毒全体の件数は前年度(2016年度)と同じ15件ですが、患者数は前年度の162人の2倍近い321人に上り、ノロウイルス食中毒が患者数を押し上げています。

 これらのノロウイルス食中毒で飲食店が提供した食事は生ガキ、カキフライ、天ぷら、刺し身、焼き魚、うどん、漬物などさまざま。県は「ノロウイルスに感染した人を介して汚染された食品や、ノロウイルスが蓄積した二枚貝を生や加熱不足で食べることで発症する。食品を介さなくても手などを通じて容易に二次感染する」としています。

 このため予防法として、(1)帰宅時、トイレの後、調理・食事の前にせっけんで十分に手を洗う、(2)トイレに入る前に、衣服を汚さないよう上着を脱ぐか袖口をまくる、(3)加熱調理する料理は、中心部まで十分に加熱する、(4)まな板、包丁、ふきんなどはよく洗い、熱湯や漂白剤で殺菌する――などを呼び掛けています。