写真:アフロ

 インターネットやスマホの普及により、新たな娯楽が誕生して以前に比べるとその存在感や勢いを失っていると言われる昨今のテレビ業界。

 各テレビ局とも、自局の番組の視聴率アップに四苦八苦している状況だ。

 つい最近も、フジテレビが50歳以上の社員を対象に早期退職者を募集したことが複数のメディアで報じられたが、広告(=CM)出稿などの減少により、台所事情が苦しいのは何もフジだけではなく、民放キー局の番組予算は昔に比べると軒並み減少傾向にあるという。

テレビ不況の影響が直撃している番組制作会社

 番組予算が減れば当然、そのしわ寄せは制作会社にも及ぶわけで、

 「我々番組制作会社はテレビ局とのパイプがあってこそ成立する商売なので、時には赤字覚悟の制作発注を受けることもあります。たとえその番組の制作コストが赤字でも、実績を作らないと切られたり、他の制作会社に乗り換えられたりしかねないですからね」とはテレビ番組の制作会社スタッフ。

 そんな近年のテレビの過酷な現場において、重労働と薄給が当たり前で“最下層”とされるAD(=アシスタントディレクター)となれば、さぞや厳しい状況に追い込まれているのだろう……と思いきや、意外にも一昔前よりも待遇はかなり改善されているという。

 「安定しているテレビ局の局員は別として、この業界の仕事がキツいことや業界全体が下降線をたどっていることは、一般の人にも広く知られていますし、昔に比べると『とにかくテレビ業界で働きたい』と制作会社に入って来るような人自体が減っていて、とにかく若いADが不足しているんです。制作会社の知り合いと現場で顔を合わせると、お互いに『いいADはいない?』とすぐに情報交換するくらいですよ」

人材不足で変わりつつあるADの処遇

 そうした中、現場でのADに対する扱いにも変化が起きているとか。

 「良いか悪いかはさて置き、昔のこの業界は職人的な体育会気質で、下っ端のADなんかは返事の声が小さいだけで殴られたし、ヘマをした時なんかロケ車に乗せてもらえず、現場に置き去りにされたりもしましたからね。そうした苦労を経て、スムーズに仕事ができるようになって初めてその存在を認められたものです。でも、今の若い人にそんなことをしたら、『パワハラだ!』、やれ『労基(=労働基準監督署)に訴えてやる!』なんて言われてしまいますから。そもそも、ADをやってもいいという人自体が不足しているので、コチラとしては辞められるのが一番困る。暴力は絶対NG。つい怒鳴ってしまった後には、仕事終わりに食事をおごったり、飲みに誘って励ましたり、フォローもしています」(同スタッフ)