中日の43歳左腕岩瀬は前人未到の1000試合登板に挑む(写真・黒田史夫)

いよいよシーズンが開幕する。達成されそうな大きな記録がある。一流打者の勲章で名球会入りの条件となる2000本安打に王手をかけているのが2人、ソフトバンクの4番、内川聖一(35)が残り25本、ロッテの福浦和也(42)が残り38本と迫っている。
 内川は本来ならば昨年に達成しているところだった。だが昨年7月に左手母指基節骨尺側基部を骨折して長期離脱、73試合にしか出場できずヒットも79本と足踏みした。だが、ここ5年のヒットペースを計算すると1試合1.18本 。もちろん、波はあるのだが、机上計算では21試合目。 4月25日の西武戦(ヤフオクドーム)がXデー。順調にいけば4月に達成してしまいそうだ。
 内川は球史に残るスラッガーである。右打者の通算打率で1位がブーマーの.317、2位が落合博満氏の.3108、3位に僅差で.3095の内川が食い込んでいる。右打ちの技術、勝負強さだけでなく、場面によっては、昨年のCS、日本シリーズでチームを救ったような一発もある。通算200本塁打にも残り24本。
「心と体が一致すること」が、内川の打撃の真髄である。

 配球を読み狙い球を絞っていくスタイルではなく、打席では「ストライクは全部振るつもり」で準備している。確固たる技術に裏づけられた天才型である。
 内川が2000本安打を達成すれば、右打者としての偉業がクローズアップされるだろう。

 福浦の昨年のヒットは30本に終わった。2軍で暮らす時間も多かった。昨年の数字から比較すると38本は難しい数字ではあるが、昨年まで同じ現役としてプレーした井口新監督は、ベテランの再生に乗り出していて出場機会が増える可能性は高い。開幕1軍にも名を連ねた。案外、あっさりと大記録をやってのけるのかもしれない。

 一方、投手陣に目を向けると一番の記録は中日の岩瀬仁紀(43)の前人未到の1000試合登板だろう。残り46試合。昨年は、故障に悩まされることのない復活のシーズンとなり、貴重な中継ぎ左腕として50試合に登板、米田哲也氏が持つ歴代最多登板記録である949試合を更新した。

 今季もキャンプから順調に調整を進め開幕1軍メンバーに入った。故障を克服して以来、ピッチングスタイルを変え、毎年のように新球にチャレンジしているが、今キャンプは「チェンパ」と名付けた、チェンジアップとパームの中間の緩いボールを新球として加えて、さらに投球の幅を広げた。故障というアクシデントがない限り、シーズンの終盤に1000試合登板のメモリアルデーを迎えるだろう。

 もう一人、注目の節目を目の前にしているのが、巨人の山口鉄也(34)の通算300ホールド記録だ。残り27個に迫っている。同じく日ハムの宮西尚生(32)も、残り43個で300ホールドに到達する。

 ホールドが両リーグの正式記録となったのは2005年からという新しい記録だが、“勝利の方程式”がペナントレースの行方を左右するようになった近代野球において非常に重要な記録である。

 ちなみにシーズン最多ホールド記録は中日の浅尾拓也(33)が持つ47個、山口が2012年にマークしたキャリアハイの44個は6位。宮西が2014年に記録した41個は11位となっている。

 昨年、25ホールドの宮西は、キャリアハイを更新しなければ300には届かないが、山口は復活さえ果たせば十分に到達可能な数字である。だが、昨年は故障に苦しみわずか18登板で3ホールドしか刻めなかった。9年間、続いていた60試合登板も途切れた。今春キャンプも3軍調整となり開幕1軍から漏れている。
 一昨年前まで、山口が担っていたポジションには、上原浩治が加わったが、長いペナントレースを考慮すると、山口の復帰が待たれるところ。いずれにしろ苦難の記録への挑戦となる。

 左腕、宮西は入団以来、10年連続で50試合登板をクリアしている。チーム事情から見ると今季キャリアハイを更新するのは難しいかもしれないが、山口の今季の出来次第では、宮西が300ホールドへ先に王手をかけることになるのかもしれない。

 

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