藤浪の6回続投は裏目に出て待望の白星を手放すことになった

阪神が31日、東京ドームで行われた巨人戦で逆転負けを喫した。巨人の野球も決して褒められたものではなかったが、阪神はベンチの継投ミスで勝ちゲームを結局、4-8で手放した。143試合あるペナントレースで、ベンチの采配で左右するゲームは、数試合程度と言われているが、この1敗はただの1敗でも済まされない手痛い敗戦になったのである。

 なぜか?

 この試合は今季に復活をかける藤浪晋太郎に白星をつけておかねばならない試合だったからだ。
 打線は苦手の左腕、田口麗斗を攻略した。立ち上がりに糸井嘉男が片手でライトスタンドに先制アーチを運び、2回には、ロサリオ、大山悠輔のタイムリーを含む集中打で3点を追加して藤浪を援護した。藤浪も相変わらず右打者に対して突如、ボールがぬけて、制球が荒れる“危なさ”は孕んだままだったが、最速157キロをマーク、なんとか5回を岡本和真のタイムリー1本だけの2失点に抑えていた。
 
 阪神ベンチは、6回一死二塁で、藤浪をそのまま打席に立たせた。欲しい追加点、しかも、6回はラッキーボーイと化していた岡本から長野久義、小林誠司と、藤浪がコントロールしにくい右打者が並ぶ。ここは代打を送るべきだった。

 試合後、金本監督は「代え時がむずかしかった。5回がよかっただけにかなり迷ったんだが……まさか突如ああなるとは、チームを背負ってもらわなくちゃいけないピッチャーだから。判断ミスと言われても仕方がない」という話をしていたそうだが、藤浪の立ち直りに信用がおけないことは誰よりも知っているだろう。
今季、藤浪を信用していくためには、この試合で、どんな形であっても勝ち星をつけてやり、自信を取り戻させることが先決だった。昨年3勝に終わった藤浪がローテーを守り、復活することが優勝の不可欠条件なのだ。だからこそ相性のいい横浜DeNAではなく、あえて開幕カードの巨人の2戦目に持ってきたのではなかったか。しかも自慢のブルペン陣に疲れなどなく準備万端だったのだ。勝利権利を得た5回で93球5安打2失点は十分に合格だ。

 6回、藤浪は先頭の岡本にヒットを許すと案の定、ストライクが入らなくなった。長野に四球。マウンドに香田投手コーチが行ったが、遅くとも、この時点で交代だったのだろう。
 だが、ベンチはさらに続投させてバントの構えをしている小林へもストレートの四球。満塁となったところでようやく交代が告げられた。無死満塁で送り出された岩崎優が気の毒だった。代打・阿部慎之助への押し出し四球を責めることはできなかった。二死から坂本勇人に同点タイムリーを許して藤浪の昨年5月4日のヤクルト戦(神宮)以来となる白星が消えた。

 藤浪は球団を通して「今日の投球はいい時と悪い時の球がはっきりとしてしまった。野手の方が先に点を取ってくれて、守備でも助けてもらったのに、粘ることができずに申し訳ないです」という談話を出した。
 藤浪の“開幕”はお預けとなった。