上原が東京ドームに登場するとこんなメッセージがビジョンに流れた

巨人が阪神との開幕カードを2勝1敗で勝ち越して上々のスタートを切った。2戦連発、8打点の岡本和真(21)の覚醒と共に、その原動力となったのは10年ぶりに復帰した上原浩治(42)の存在だ。“8回の男”として2試合で2回を無失点に抑えてゲームを引き締めた。特筆すべきは、その少ない球数と投球の超ハイテンポだ。世界一を知る“優勝請負人”上原が巨人を変えるのかもしれない。

 ビジョンに上原の煽り映像が流れ、登場曲「Sandstorm(サンドストーム)」が響くと東京ドームのテンションは最高潮に達した。これまでの巨人では見られることのなかった大声援である。2試合続けて1点のリードで迎えた大事な8回に登場した。なおさらファンの期待感が高まるのだろう。

 阪神打線は、1番からの好打順だった。高山俊には初球にスプリットから入って空振りを奪い、2球目には135キロのストレートでファウルを取った。錯覚だ。
 腕の振りがまったく同じのスプリットを使い分けすることで、たかだか135キロのストレートが早く見えるという錯覚を引き起こすのだ。

 簡単に追い込んで最後はスプリットで投手ゴロ。
 続く鳥谷敬には、初球に139キロのストレート。鳥谷は、そのボールを打ち損じた。サードへの内野フライ。上原は天井に右手の人指し指を突き出して声を挙げた。レッドソックス時代の世界一シーンを思い出す。
 2人でわずか5球である。
 3人目、糸井嘉男との対決は見ごたえがあった。フォークの3連投から入った。カウント1-2と追い込んでから粘られた。サイン交換にほとんど時間を使わない上原が珍しく小林誠司のサインに首をふった。そして、またスプリット。結局、7球全球スプリット勝負で、最後はサードゴロ。この回、わずか12球である。
 キャッチャーからの返球をとってはすぐに投げる。超高速な投球テンポが打者に考える隙を与えない。
 投手と打者の対戦は、「時間とペースの奪い合いである」という名言を残したのは名将、野村克也氏ではある。上原の投球術のひとつに、この時間とペースの支配力がある。
 この日の上原の8回の投球時間は、約4分36秒しかなかった。
 上原は、31日の阪神戦も、わずか11球で終わらせているが、このとき8回に費やした時間は約3分22秒。
 驚くほどの超ハイテンポである。
 カップ麺が出来上がる時間で上原はマウンドを降りるのだ。

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