大相撲の地方巡業で、信じられないような事態が発生しました。挨拶の最中に倒れた市長を助けようと土俵に上った女性に対して、場内アナウンスで、土俵から下りるよう指示したというものです。

イラスト:アフロ

 現在、大相撲は春巡業の最中ですが、4日は京都府舞鶴市で相撲が開催されていました。この時、土俵上で挨拶に立った多々見良三舞鶴市長が突然、倒れるという事態が発生。スタッフらが土俵に上がり、心臓マッサージなどの救命措置を行ったそうです。すると主催者である相撲協会は場内放送を行い「女性の方は土俵から下りてください」と数回にわたって女性に土俵から下りるよう促したということです。

 動画投稿サイト「ユーチューブ」では、現地で撮影されたと思われる映像がアップされており、その中では市長を助けようと女性が土俵に上る姿が確認できます。

 大相撲の土俵は「女人禁制」とされており、これまでも女性が土俵に上がることについては様々な議論が行われてきました。今から約30年前の1990年、女性初の官房長官に就任した森山真弓氏が初場所でトロフィーを授与することを検討したところ相撲協会が猛反発。結局、土俵に上がることはできませんでしたが、「国技」のあり方に関する議論のきっかけとなりました。

 その後、2000年には大阪府の太田房江知事が、春場所の土俵上で優勝力士を自ら表彰することを希望しましたが、この時も協会側は拒否しています。

 しかしながら今回のケースは非常事態であり、人命が最優先されるべき状況であることは明らかです。相撲協会は「人命にかかわる状況には不適切な対応でした。深くおわび申し上げます」との談話を発表しましたが、納得した人は少ないでしょう。

 ちなみに倒れた多々見市長ですが、意識はあり会話もできる状態とのことで、協会の指示による影響はなかったと考えられます。しかしながら、人命を軽視しているとも受け取れる今回の協会の対応は、現在の相撲協会の運営体制が、由緒ある国技の主催者として適切なのか議論となりそうです。

(The Capital Tribune Japan)

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