[写真]4月2日発生の飯田市の林野火災(写真提供:長野県)

 山火事や枯れ草火災が頻発し、例年にない犠牲者が出ている長野県は4日、森林のパトロールなどを強化する「緊急啓発・注意喚起」を実施、県民に山火事防止を呼び掛けました。例年、空気の乾燥や強風の時季となる春先3月以降は山岳県の長野で山火事の危険が増大。わずかな火元から大規模な林野火災になる恐れがあります。消防庁も都道府県などに警戒と発生時の迅速な対応を呼び掛けています。

死者が昨年同時期より倍増

[写真]昨年5月の飯田市の林野火災(写真提供:長野県)

 長野県では4月2日に県南部の飯田市千代野池で林野火災が発生。静岡、山梨など隣接県や自衛隊のヘリコプターの出動を求めて消火活動を進め、3ヘクタール以上を焼いて翌3日に鎮火しました。飯田市では昨年5月にも山火事がありました。

 県によると、今年2月から4月3日までの林野・枯れ草火災による死者は7人に上っており、過去4年間の各2~6月期の死者数1~3人に比べ倍増しています。

 緊急啓発では、上伊那、木曽、長野など10地域で山林や周辺農地、果樹園などのパトロールを進めるとともに、農作業やハイキングなど野外活動に伴う火の元の注意などを呼び掛けました

 林野・枯れ草火災を防ぐ対策として県は、(1)強風や乾燥時に火入れ(野焼き)やたき火をしない、(2)火入れなど野外で火を使うときは必ず消火の備えをする、(3)火から離れるときは必ず消火を確認する、(4)延焼しないよう周囲の可燃物を除去する、(5)緊急に備えて消防への連絡体制を確保する――などを呼び掛けています。 

 消防庁によると、2016(平成28)年度中の林野火災は全国で1027件、焼失面積384ヘクタール、損害額は1億5700万円余。例年春先に発生し、特に3月に多発します。雨が少なく空気が乾燥し強風が吹くのと、ハイキングや山菜採りなどで入山者が増えるためと見ています。

 2016年3~4月には福島県伊達市や同南相馬市でそれぞれ30ヘクタールを超える大規模な林野火災が発生。2017年4~5月には福島県や岩手県で70~400ヘクタールを焼く大規模林野火災が起きています。


■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説