[写真]臨時理事会の後、会見に臨んだ福田会長(左から3人目)らレスリング協会幹部

 日本レスリング協会は6日夕、五輪4連覇中の伊調馨選手(ALSOK)に対する栄和人強化本部長によるパワーハラスメントが告発された問題について、東京都内で臨時理事会を開き、第三者の弁護士による聞き取り調査結果を報告した。その結果、伊調選手とコーチだった田南部力(たなべ・ちから)氏への4件のパワハラ行為を認定した。

 栄氏は同日付で、強化本部長の辞表を臨時理事会に提出し、受理された。谷岡郁子副会長(至学館大学長)を通じて出され、「不徳の致すところです」との栄氏のコメントが添えられていたという。栄氏は代表の指導から身を引く。

【中継録画】伊調馨選手へのパワハラ問題でレスリング協会が謝罪

「相当古くからパワハラは存在」

 理事会後の会見で、福田富昭会長は「伊調選手に対する強化本部長の言動がパワハラに当たると受けとめ、伊調選手や関係コーチに深くお詫び申し上げる」と謝罪した。

 パワハラ行為と認定されたのは以下の4件。

(1)2010年2月、女子合宿に参加した伊調選手をコーチ部屋に呼び、栄氏が「よく俺の前でレスリングできるな」と言った。

(2)2010年にモスクワで開かれた世界選手権で、伊調選手は63キロ級で優勝。その宿泊先のホテルで栄氏は田南部コーチに「伊調の指導をするな」と言った。

(3)2010年11月に中国・広州で開かれたアジア大会の代表選手選考で、条件を満たしていたにもかかわらず伊調選手が外され、本人への説明もなかった。

(4)2015年2月の男女合宿の期間中、正当な理由で外出した田南部コーチを栄氏が叱責。

 認定された行為をパワハラと捉えていなかったのかと問われた福田会長は「パワハラ判定は非常に難しい。どこからどこまでがパワハラなのか。いつまでどう遡るかも難しい。(調査報告書を受けて)自分としては認識を深くいたした状態」と述べるにとどめた。

 問題の原因は栄氏個人か協会の体質かとの質問には「相当古くからパワハラというものが存在していて、そしてこういう問題が起きて、あらためてしっかりとした対策を立てていかないといけない」との認識を示した。

 会長としての栄氏の任命責任については「(栄氏は)しっかりとしたと指導の成果が出ている。成果を見て、中身についてはそんなに自分でも精査してなかった所もある。今後はしっかり改善改革していきたい」と神妙に答えた。