後任の西野氏は本来責任を取る立場にある技術委員長からの抜擢(写真・アフロ)

 日本サッカー協会(JFA)は9日に緊急記者会見を開き、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督(65)を7日付けで解任し、後任にJFAの西野朗技術委員長(63)をあてると発表した。

 ワールドカップ・ロシア大会の開幕まで、わずか2ヶ月と迫ったタイミングでの電撃的な指揮官更迭。東京・文京区のJFAハウスで午後4時から会見した田嶋幸三会長(60)は、自身の専権事項として下した決断の理由として、3月下旬のベルギー遠征で生じたチーム内のネガティブな変化をあげた。

「マリ代表戦とウクライナ代表戦の後に、(ハリルホジッチ監督と)選手とのコミュニケーションや信頼関係の部分が多少薄れてきた。それが最終的なきっかけになったのは事実であり、それまでのさまざまなことを総合的に評価して、今回の結論に達しました」

 八百長疑惑の渦中にあったハビエル・アギーレ監督(59)が電撃的に解任された後を受ける形で、ハリルホジッチ前監督は2015年3月に急きょ就任。準備不足のなかでワールドカップ・アジア予選を苦戦しながらも勝ち抜き、日本代表を6大会連続6度目のヒノキ舞台へと導いた。

 一方で選手たちに対して歯に衣着せぬ直言の数々を浴びせ、状況によっては衝突することを厭わないエキセントリックな姿勢を貫いてきたことで、チーム内には少なからず溝が生じていた。試合結果次第では解任、という最悪のケースが議論されたのも一度や二度ではない。

 もっとも、そうした不協和音を一掃するのが技術委員会に求められる仕事のひとつである。チーム内の溝を埋められないまま、先のベルギー遠征で修復不可能な状態に悪化したとすれば、技術委員会がしっかりと機能していなかったことを意味する。実際、田嶋会長はこう語っている。

「(協会として)さまざまな選手たちと、話し合いの場をもつなどしてきました。本来は協会ではなく技術委員会や代表スタッフがやるべきこと、というのは誰もがわかっています。ただ、監督主導だったように見えていたと思いますが、技術委員会もハリルホジッチ監督をサポートしながら、どのように改善していくのかを必死にやっていたのを私も見ていますので」

 内容を伴った勝利を節目、節目で手にしてきたこともあり、解任が検討されてはその都度、先送りにされてきた。結果として大いなるリスクと背中合わせとなる開幕2ヶ月前の段階で、まさに遅きに失したとなりかねない更迭劇となった。しかし、残念ながら責任の所在は明確にされていない。

 本来ならば責任を問われるべき、代表チームを統括する立場にある西野技術委員長へ、田嶋会長は今月初旬に後任監督としてのオファーを出している。異例にも映る代表監督人事の理由として、会見の席上で何度も

「緊急事態」という言葉を用いた。

「新しい監督については、こういう緊急事態だからこそ内部からの昇格しかないと考え、このチームをずっと見てきた西野さんに決めました。ここまでの代表チームの準備を知っていて、ハリルホジッチ監督をサポートしようと最後まで頑張っていたので」

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