2日スタートした女優・永野芽郁主演のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』が、第2週目に突入した。話題性たっぷりの朝ドラだ。

 日本が高度経済成長後半期にさしかかった1971年から、物語は始まる。岐阜県の小さな田舎町で食堂を営む楡野夫妻のもとに元気な女の子、鈴愛(すずめ)が生まれた。偶然にも、同じ日に同じ病院で、写真館を営む萩尾夫妻の間にも律(りつ)という男の子が生まれた。生まれたときからそばにいた2人は、やがてお互いにとって特別な存在となっていく。そして鈴愛は子どもの頃に左耳を失聴してしまうのだが、家族や律、幼なじみたちに支えのおかげで、漫画家という夢を目指し、バブル真っただ中の東京へ上京、成長物語だ。

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NHKらしい時代考証へのこだわり

 セットの小物一つひとつに、NHKらしい時代考証へのこだわりが感じられる。たとえばテレビの横に大阪万博の「太陽の塔」の置物があるかと思えば、本棚には当時の背表紙で講談社コミックス『あしたのジョー』の単行本が並ぶ。すべて当時モノで全巻揃っていれば、相当価値があるレアなアイテムだ。それらを見かけると、あの時代に少年期を過ごした筆者などは「あぁ、そういえばあれを持っていたなぁ」とか、「懐かしい~」と思わず声を漏らしてしまう。

 また、流行歌の変遷が感じられるの楽しみのひとつだ。ジュディ・オングの「エーゲ海のテーマ〜魅せられて」や松田聖子の「青い珊瑚礁」、もんた&ブラザーズの「ダンシング・オールナイト」ラジオやテレビから流れたり、鈴愛たちが口ずさんだりするシーンが、毎回あったらいいなと思わせる。

 時代考証については、第4話で手塚治虫原作の特撮ドラマ『マグマ大使』が登場した際、視聴者から「1971年生まれの鈴愛が『マグマ大使』を知っているのはおかしい」とネット上に疑問の声が上がったが、第6話で鈴愛が『マグマ大使』を知っているのは父親の影響だったことがわかり、納得させられた。

格段に進化したテクノロジー 今と昔の比較も楽しみのひとつに

 また、考えさせられる場面もある。今は、昔と比べ何もかもが本当に便利になった現在だが、反面、便利さと引き換えに失われた楽しさもあるように思う。たとえば、ドラマに出てくる医療装置や医療自体の進歩だ。今は妊婦のお腹のなかで育つ赤ちゃんの成長過程が鮮明に把握でき、生まれる前から性別までもわかってしまう。70年代は、そうではなかった。出産までの間、「私は絶対に女の子だと思う」とか「いや、このお腹の膨らみ具合だと男の子じゃないかな」などと、ある意味、想像する楽しみがあった。そんな今と昔の比較も、『半分、青い。』の一つの醍醐味といえるのではないだろうか。

 そして、経済的に恵まれ上品に育った律と比べ、やんちゃな性格で野生児のような鈴愛だが、たしかに当時は家庭ごとの経済格差の差を目の当たりにする機会が多かった気がする。

 ナレーションも、面白い。当初は永野の一人称での語りだったが、風吹ジュン演じる鈴愛の祖母・廉子が他界してからは、風吹がナレーションを担当している。物語が進むにつれ、また変わるのだろうか。その辺りも楽しみだ。

 今週は、鈴愛の左耳が不調になる。その後の人生に大きく影響を与える出来事だけに、見逃せない。現在は子ども時代の鈴愛を矢崎由紗が、律を高村佳偉人が演じているが、成長した二人に扮する永野芽郁と佐藤健の登場も待たれる。

 次も観たい度
★★★★★

(文・田村豊)