[写真]毒性が強いバイケイソウ(左)。山菜のオオバギボウシと間違えやすい(長野県の資料から)

 長野県は、毎年のように春先に発生している有毒植物による食中毒を防ぐため、10日までに注意喚起の情報を出しました。ニラと間違えて有毒植物のスイセンを食べる例などが目立ち、山菜採りや野草摘みに潜む思わぬ危険を指摘しています。

【写真】スイセンとニラ見分けられる? 相次ぐ食中毒で注意呼びかけ

よく分からない植物は食べない

[写真]フキ、タラノメと間違えやすい有毒のハシリドコロ(長野県の資料から)

 県によると昨年、食用のニラと間違えて有毒植物のスイセンを食べたことによる食中毒が2件県内で発生、患者は13人を数えました。

 山菜採りなどで食用植物によく似た有毒植物を誤って採取、調理して食中毒になる例がほとんど。県は食中毒防止のため、(1)よく分からない植物は絶対に採らない、食べない、売らない、ほかの人にあげない、(2)食べられる山菜や野草の特徴を完全に覚える、(3)身近な植物をむやみに食べない――などを呼び掛けています。

[写真]ニリンソウと似ている有毒のトリカブト(長野県の資料から)

 ほかに「新芽や根を見ただけでは植物の種類を見分けるのは難しい」「専門家の指導で植物の鑑別法をマスターしたい」などを指摘。有毒成分を含む植物にはスイセン、スズラン、フクジュソウ、レンゲツツジ、アジサイなど身近なものがあるので一層注意が必要だとしています。

 また、「食中毒だと思ったらすぐに医師の診察を受け、食べた物が残っている場合は受診の際に持参してほしい」としています。

[写真]セリと間違えやすい有毒のドクゼリ(長野県の資料から)

 長野県内の有毒植物による食中毒は1977(昭和52)年から2017(平成29)年までの40年間に20件発生し、患者数は80人に上っています。

 間違えやすい取り合わせはスイセン(有毒)とニラ、バイケイソウ(有毒)とギョウジャニンニク、トリカブト(有毒)とヨモギの若芽、チョウセンアサガオ(有毒)とゴボウ、ハシリドコロ(有毒)とフキノトウなどが挙げられています。

[写真]ギョウジャニンニクに似る有毒のスズラン(長野県の資料から)

 あいまいな知識や他人の思い込みに従って事故になる点はキノコ採りと同様で、地域のキノコ専門家は「キノコの場合は食べられるキノコを正確にしっかり覚えることが大切で、山菜も同じでしょう」と指摘しています。

 長野県では2016年にも4月から5月にかけて誤ってスイセンの球根を食べた児童ら11人が食中毒になるなど3件続き、患者が17人に上りました。


■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説

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