客数減少が続くなど、コンビニ市場の飽和が囁かれる中、最大手セブン-イレブンの業績が絶好調です。市場には逆風が吹いているにもかかわらず、なぜ同社の業績は良好なのでしょうか。

写真:ロイター/アフロ

 セブン-イレブンを運営するセブン&アイ・ホールディングスの2018年2月期の決算は、売上高(営業収益)が前期比3.5%増の6兆378億円、当期利益が前期比87.2%増の1811億円と4期ぶりに過去最高益を更新しました。好調な決算の原因は国内ではなく海外事業です。

 同社は昨年、米国のコンビニであるスノコLPを33億ドル(約3650億円)で買収しています。米国は好景気が続いていますから、米国のコンビニ事業は順調に拡大しており、これが収益に大きく貢献しました。営業利益の増分のうち、約半分が海外事業によるものとなっています。

 国内のコンビニ事業は客数こそ減少でしたが、単価の向上と新規出店の加速で全店売上高のプラスを維持しています。国内事業がまずまずだったところに海外事業の好業績が加わり、最高益の実現にこぎつけました。

 しかしながら、国内の市場飽和はジワジワと同社のコンビニ事業にも影響を与えています。同社は毎年、徐々に1店舗あたりの売り場面積を増やしており、大型店へのシフトを進めています。今後は人口減少が本格化しますから、集客が見込めるエリアに比較的大型の店舗を出店していかなければ、売上高を維持できなくなります。集客が見込めない一部の地域では退店が加速するかもしれません。

 こうした出店戦略に加えてセブンが掲げているのが接客力の強化です。コンビニ各社はレジの無人化など、省力化を検討していますが、セブンはあくまで人の接客にこだわる方針を掲げています。機械化も同時並行で実施しますが、人を減らすためではなく、接客の時間を増やすために用いられます。

 具体的には、カウンターに置く商品を増やし、接客力をアップすることでもう1品の購入を促します。接客によって客単価を上げることができれば、縮小市場でもそれなりの売上高を維持することが可能となるでしょう。同社は店内レイアウトの変更も進めており、今年度は1700店舗が新レイアウトになる予定です。

 米国市場はしばらく拡大が見込めますから、米コンビニ買収で多少の時間的余裕ができました。この間にレイアウト変更と接客力強化を実現し、国内の人口減少に備える戦略と考えられます。

(The Capital Tribune Japan)