フェイスブックCEO(最高経営責任者)のマーク・ザッカーバーグ氏が、データ不正流用問題に関して、同社にも責任があることを正式に認めました。今後、個人情報の取り扱いについて厳格化していくそうですが、IT業界の最先端では、新しい技術を使って、こうしたIT企業が個人情報を独占できないようにしようという動きが活発化しています。中には、近い将来、フェイスブックのような、いわゆるプラットフォーム企業は消滅すると予想する人もいるようです。新しい時代を俗にWeb3.0と呼ぶそうですが、それはどのような社会なのでしょうか。

写真:ロイター/アフロ

 これまでフェイスブックやアマゾン、グーグルといった企業は、自社サイトにおける利用者の行動を徹底的に分析することで高い収益を上げてきました。こうしたネット企業は、莫大な個人情報データを保有しており、もはや、私たち自身の手で個人情報を管理できない状況となっています。

 しかしIT業界の最先端では、こうした状況を新しい技術で変革しようという動きが活発です。新しい動きの中核となっている技術が仮想通貨で広く知られることになったブロックチェーンの技術です。

 ブロックチェーンのような分散処理技術を活用すると、個人の情報を暗号化し、ネット上に分散して保存・管理することが理屈上可能となります。つまり自分の個人情報は自分自身の手で管理できるようになるわけです。

 データを利用したいネット企業は、何らかの対価を払うか、許諾を得る形でしか個人情報を利用できないようにすれば、データを無制限にネット企業に利用されるリスクが低減します。

 Web3.0では、情報の利用のみならず、データの保管そのものも分散できます。これまでは、ネット企業が管理するクラウドのサーバー上にデータを預ける必要がありましたが、新しい時代のクラウドはそうではありません。世界中の個人が自身のパソコンのディスク領域の一部を開放し、そこに暗号化されたデータの断片を保管するということが可能になります。データは暗号化されてバラバラですから、これを解く鍵を持っている人しか、データを元に戻すことはできません。つまり誰もデータを集中して管理しませんから、誰かに情報を悪用される心配がなくなるわけです。

 しかしながらこうしたプライバシーを重視した仕組みを作るには、従来型の広告に依存しないビジネスモデルを構築する必要があります。ごくわずかな利用料を徴収する方式や、仮想通貨を活用する方法などが模索されています。こうしたWeb3.0社会が本当に実現するのかは分かりませんが、プラットフォーム企業が個人情報を独占することについて見直しが進む機運は確実に高まっています。

(The Capital Tribune Japan)