神木隆之介(2015年12月撮影:志和浩司)

 神木隆之介が初めて弁護士役に挑む『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』(NHK総合、土曜よる8時15分)は、学園と弁護士という組み合わせが新鮮だ。

 神木演じる新人弁護士の田口章太郎はスクールロイヤー(学校弁護士)で、まだ法廷に立った経験がない。一方、田口が着任した青葉第一中学校の教務主任・三浦雄二を田辺誠一が演じているのだが、この両者の対決が見もの。21日にスタート、28日には第2話が放送される。

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スクールロイヤーとは?

 スクールロイヤーとは、学校で起こるいじめや保護者とのトラブルなどを法的に解決する弁護士のことを指す。校内で問題が起きた際、弁護士会と教育委員会の連携のもと、学校に弁護士が派遣される制度をスクールロイヤー制度という。文部科学省の肝いりで、2018年度に全国10カ所で同制度を導入することになった。また、自治体独自の取り組みとしてはすでに2007年度、東京の港区教育委員会がスクールロイヤー制度を導入したほか、2013年度には大阪府教育委員会が導入している。

 昨秋、ニュースサイトなどでもスクールロイヤーが話題となった。文科省の2018年度予算の概算要求で、同制度の調査研究費用として約5000万円が計上されたからだ。今作は、注目度の高まるこのシステムをいち早くドラマ化したかっこうだ。そういった面でも、見どころの豊富なドラマといえる。

以前は親子の演じた神木隆之介と田辺誠一の対決シーンも

 田口が派遣された青葉第一中学では、いじめや体罰、教師の労働環境、モンスターペアレントと、問題が山積。田口(神木)は法律と弁術を駆使し、さまざまな問題に立ち向かうのだが、教師生活25年目のベテラン教師で教務主任の三浦(田辺)は、生徒や保護者からの信頼が厚く、田口と激しく衝突する。

 田口のキャラが立っている。タイトル通り、“やけに弁が立つ”弁護士で、滑舌も良く、一度話し始めると、専門的な法律用語をマシンガンのように放つ。立て板に水のセリフ回しが見事だ。

 第1話では、モンスターペアレントが登場した。娘が担任教師の望月(岸井ゆきの)から体罰を受けたとして、学校に抗議してきた母親。「訴える!」と主張する母親に対し、田口は「あなたの行為は『威力業務妨害』にあたります」と、バッサリ斬って追い返したのだが、そんな田口のやり方に三浦は「学校には学校のルールがある」と猛反発する。

 神木と田辺といえば、宮藤官九郎が脚本を担当した2011年のドラマ『11人もいる!』(テレビ朝日系)では親子を演じていたが、時は流れ、それぞれに役者としてのキャリアをさらに積み重ねた。そして今作では、ライバルとして対峙している。2人は平行線をたどったままなのか、それとも全6話の中で、どこかで認め合うようなことはあるのか。

 職員室の顔ぶれも、キャスティングがそれぞれにはまっている感があっていい。前述の三浦や望月のほか、事なかれ主義的な校長の倉守(小堺一機)、ベテラン英語教師の駒井朋子(濱田マリ)、同じくベテラン教師の曽根崎啓介(菅原大吉)など、本物の教師のように見えてしまうほど違和感なく学校の景色に溶け込んでいる。役作りがしっかりできているということだろうか。また、田口が所属する弁護士事務所のボス・高城英子役の南果歩も貫禄十分だ。

 重いテーマを扱っているが、30分枠の中に軽妙な演出で無理なく物語がデザインされており、NHKらしいクォリティーの高い仕上がりとなっている。

 次も観たい度 ★★★★☆

(文・写真:志和浩司)