総合商社の伊藤忠商事がファミリーマートを子会社化することになりました。商社によるコンビニの子会社化はローソンについで2社目です。商社はなぜコンビニを欲しがるのでしょうか。

写真:ロイター/アフロ

 コンビニと商社は、小売店と卸という関係ですから、商社にとってみれば商品を買ってくれるお客さんです。コンビニの市場は大きく、業界トップのセブン-イレブンともなれば全店で約4兆7000億円もの売上高があります。つまり商社の食品部門にとってコンビニはもっとも重要な取引先というわけです。

 こうした事情から、一部の大手商社は自社の商品を取り扱ってもらえるよう、コンビニと資本関係を持つに至りました。伊藤忠は1998年にファミリーマートに出資したほか、三菱商事は2000年にローソンに資本参加しています。伊藤忠はもともとセブン-イレブンとの取引が活発でしたが、資本関係はありませんでした。しかし、伊藤忠がファミマに出資しセブンの競合となったことから、関係はドライになっています。

 商社は商品を売るのが仕事です。コンビニが儲かっていれば、商品をたくさん買ってくれますから、無理に子会社にする必要はありません。しかし三菱商事は2017年2月にローソンを子会社化、伊藤忠もそれに続きファミマの子会社化に踏み切りました。

 商社がわざわざコンビニを子会社にする理由はコンビニという業態の利益率が高いからです。最近ではかなり崩れてきましたが、コンビニという業態は定価販売が原則となっており、消費者に高く商品を売るビジネスモデルです。安い商品を大量に消費者にとどけるスーパーとは根本的に考え方が異なります。このためコンビニの利益率は高く、コンビニを子会社にしてしまえば、コンビニの利益を商社の連結決算に反映することが可能となります。

 商社は基本的に薄利多売のビジネスですから、コンビニに商品を売ることに加え、コンビニの事業そのものを手に入れることで、さらに利益を拡大しようとしているわけです。またコンビニは多数の顧客を抱えていますから、商社が手がける新しいビジネスの潜在顧客にもなり得ます。ファミマは伊藤忠の子会社になることで、金融サービス強化を狙っていますが、こうした動きは商社との関係があればこそでしょう。

 しかしながら、コンビニを自社に抱えてしまうと、もしコンビニの業績が悪化した場合、今度は商社の業績も悪くなってしまいます。伊藤忠と三菱商事はコンビニを子会社にしてしまった以上、コンビニのビジネスに経営が大きく左右されることになるわけです。

(The Capital Tribune Japan)

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