家電量販店から住まいの総合サービスへの脱却を目指すヤマダ電機が苦戦しています。新業態を担う中核子会社のひとつであるヤマダ・エスバイエルホームが赤字を計上したほか、本体も減益予想となっています。量販店からの脱却はうまくいくのでしょうか。

写真:AFLO

 ヤマダ電機は、家電量販店では国内最大手ですが、消費構造の変化という事態に直面し、売上高の減少に悩まされてきました。同社は郊外型の店舗が多く、人口減少の影響を受けやすい業態です。今後、本格的な人口減少がスタートすることから、同社は家電に加えて、住宅の販売やリフォーム、住設機器、家具など、住まいに関するあらゆるサービスを提供する企業に生まれ変わろうとしています。店舗についても融資や不動産購入の窓口を持った「家電住まいる館」の展開を強化しています。

 また、新業態への移行をスムーズにするため、ヤマダは関連するノウハウを持った企業を次々に買収してきました。ヤマダ・エスバイエルホームもその中の1社であり、ヤマダに買収される前は高級住宅を得意とした中堅メーカーでした。

 ところがリフォーム事業における大型案件で、施工体制の整備が追いつかず、工事に遅延が発生。2018年2月期の決算は12億円の営業赤字と業績が悪化してしまいました。

 ヤマダ電機本体の状況もあまりよくありません。同社の決算は3月ですが、2018年3月期決算の予想は、売上高はほぼ横ばいですが、営業利益は前期比約35%減を見込んでいます。先ほどのヤマダ・エスバイエルの業績悪化が反映されることに加え、「家電住まいる館」への店舗改装にともなう在庫処分などが影響しました。

 家電と住宅は密接な関係がありますが、製品サイクルや販売手法はまるで異なっており、家電からの参入は難しいと言われてきました。当然、ヤマダ側もそのことは熟知しており、この部分をカバーするため、多くのM&Aを実施してきたわけです。

 各社のノウハウがグループ全体に共有され、業態展開がスムーズに進むようになるまでには、もう少し時間がかかるのかもしれません。その間に、本業の家電販売の水準をどこまで維持できるのかが、今後の焦点ということになるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)