ソフトバンクを戦力外となりロッテにテスト入団した大隣憲司が今日ZOZOマリンで古巣相手に移籍初マウンドを踏む

ソフトバンクを戦力外となりロッテにテスト入団した左腕、大隣憲司(33)が、今日2日、ZOZOマリンスタジアムで行われる古巣のソフトバンク戦に移籍後初先発する。移籍後、初先発のチャンスが9連戦の4試合目に巡ってきた。

 1日の練習後に取材陣に対応した大隣は、「いろいろと考えてもしょうがない。思い切り投げるだけ。できる限り先発の役割を果たし、勝ちに貢献できるように気持ちを前面に出していけたら」と、落ち着いた表情で語った。
 昨年オフにソフトバンクから戦力外通告を受けた。昨年は4月22日の楽天戦に1試合先発したのみで4回持たずに6失点KOされている。その後、2軍暮らしが続き、豊富なソフトバンクの選手層の壁に阻まれ2度目のチャンスはもらえなかった。

 難病の黄色靱帯骨化症を克服し3年前には左肘を手術した。数々の困難を乗り越えてきた大隣は、「まだまだ自信がある。今の気持ちの中で引退という2文字までは出てこなかった。家族に1年、2年でも長く野球をするところを見せたい」と、昨秋、広島のマツダスタジアムで行われた12球団合同トライアウトに参加。完璧な制球力とボールのキレを披露して、ロッテの編成部の目に留まり、今春の沖縄・石垣島キャンプでのテスト参加を経て契約にまでこぎつけた。

 開幕1軍メンバーからは漏れたが、イースタンで2試合に中継ぎ、2試合に先発登板。4月12日の楽天戦では5回無失点、19日の巨人戦では5回3失点といずれも先発の仕事は果たして上から声がかかる機会を待った。

「ロングでも先発でもどちらの役割でもチームに貢献できる準備をしてきた」という。
 
 そして待ちに待った移籍後初先発は、何の因果か、古巣のソフトバンクである。日本一となった打線は、まだ本調子とは言えないが、その破壊力は身をもって知っている。 
「ワクワクか? 怖さか? それは両方あります」
 正直な気持ちだろう。
「投げ損じて甘いコースにいったらやられる。そこはどのチームでも一緒ですが、ストライクを先行させて、テンポよく自分のペースで投げたい」
 相手を怖がって際どいコースを攻め続けることでボールが先行して自分で自分の首を絞めることになるような最悪パターンだけは避けなければならない。
 いかに大胆に。そして細心にいけるか。
 プロ通算52勝のキャリアを生かした投球術が勝敗を分けることになるだろう。
 大隣は、そして、こんな決死の覚悟をも口にした。
「来年(の野球人生)を左右する大事な試合になる。僕にとっても(勝率)5割(5月1日の試合前時点で)のチームにとっても」
 結果を残さねば、来季の契約を勝ち取れないことはわかっている。昨年も4月のたった一度の先発失敗が戦力外につながったのだ。今回、9連戦でスポット的に先発チャンスはもらったが、ローテーは埋まっていて、今後、そこに割り込んでいくには、結果で首脳陣の信頼を勝ち取らなければならない。
 勝利すれば、2016年7月10日の楽天戦以来、2年ぶりの勝利となるが、そのマウンドは、大隣にとっては野球人生をかけたものにもなる。
 もちろん古巣のソフトバンクも容赦はない。互いに全力で相手を潰すことが恩返しという形になるのだろう。不振だった松田宣浩、2000本にカウントダウンの内川聖一が揃ってアーチ&マルチ安打を放ち調子が上向きになっている。内川は2000本安打に残り「4」。この右打者2人を、どう封じ込めるかも2年ぶりの勝利へ近づく焦点になるだろう。チームは、この日、復活した千賀滉大の前に1-3で敗れ、また借金が「1」となった。大隣の左腕に「勝率5割復帰」を預けることにもなった。