戦力外の男・大隣は古巣相手に7失点、2回もたずKOで2軍落ち決定

戦力外から千葉ロッテにテスト入団した大隣憲司投手(33)が2日、ZOZOマリンスタジアムで行われたソフトバンク戦で移籍後、初先発したが、2本塁打を含む7安打7失点で2回持たずに降板、古巣の手荒い洗礼を受けた。試合後、大隣の2軍落ちが決定、厳しい現実を突きつけられた。2000本にカウントダウンしていた内川聖一は、その大隣から2試合連続のマルチ安打となる2安打を放ち、いよいよマジックを「2」にしている。

 マリン名物の風はいつにもまして強かった。上空の風速10メートルの表示。大隣のユニホームはバタバタと波だっていた。おまけに雨足が徐々に強くなる。移籍初先発の大隣には試練となるコンディションだった。そこにソフトバンク打線という嵐が襲いかかる。

 見送ればボールだった。一回一死一塁から、大隣の立ち上がりにソフトバンクは、ランエンドヒットを仕掛けてきたが、その高めのストレートを柳田悠岐がすくい上げると、打球は左中間スタンドに届いた。球速は136キロ。ボールは走らず球威はなかった。

 さらに通算2000本安打に、この時点で残り「4」と迫っていた内川に外のスライダーを泳ぎながらバットにうまく乗せられセンター前へと運ばれると、デスパイネに投じた136キロのストレートが甘く入った。それを怒涛のフルスイング。打球はレフトスタンドへ一直線。本来は、ボール2つくらい内側を攻めたかったのだろうが、そのほんの少しのミスを許してくれないし、ほんの少しのミスが帳消しになるような球威もキレもないのだから厳しい。連続2ランでいきなり4失点である。

 もう流れは止められなかった。2回も、上林誠知にキレの甘いスライダーを思い切りライト線に引っ張られて二塁打。続く高谷裕亮はバントで送ってきたが、処理をした田村龍弘が三塁へ送球して、挟殺プレーとなったが、セカンドへ追い詰めて一発でアウトにしなかったため、三塁のカバーが田村と、大隣が重なってオールセーフ。記録には、フィルダースチョイスがついたが、守備の乱れから無死二、三塁とピンチが広がると、川島慶三に簡単にレフトへ犠飛を打たれ、一死からは、柳田をレフトフライに打ち取ったかに見えたが、吹き荒れる強風にあおられた高い打球の目測をルーキーの菅野剛士が誤り、それがタイムリー二塁打となった。そして内川に、また技ありの2本目のヒットをライト前へと落とされて柳田が生還。0-7となり、デスパイネを迎えたところで交代を告げられた。
 確かに不運も重なった。
 だが、ストレートが、この程度でボールを動かすことができなければ、打たせて取るピッチングに徹するにも限界があるだろう。
 序盤の7失点でゲームを壊して勝率5割どころか借金「2」にしてしまったが、大隣は呆然とした表情でベンチから戦況を見守っていた。 
 大隣の広報談話も以下のような短いもの。
「こういう結果になってしまい申し訳ないです。それしか出てこないです」
 大隣の心境は痛いほどわかる。
 昨年は4月22日の楽天戦で先発チャンスをもらったが、同じように4回持たずに6失点KOされて、以降、1軍昇格は、一度もなかった。その苦い経験があるだけに「来季(の契約)を左右する大事な試合になる」と、覚悟を決めてマウンドに上がったが、そのプレッシャーが、逆に気負いになったのか。
 
「この日に準備を整えてきて、これじゃあ……。本人が一番わかっていると思う。これ以上僕からは何も言わない」
 井口監督も指揮官らしく死人に鞭打つような行為はしなかった。
 ただ次のチャンスについては「ない」と断言。即2軍落ちが決まった。