米アマゾンが停車中の自家用車に荷物を配達するサービスを開始しました。同社は、すでに不在時にも自宅に配送できるサービスを提供していますが、今後、ITを活用した受け取り方法の多様化が進みそうです。

写真:ロイター/アフロ

 米国は日本と異なり、宅配業者が玄関先に荷物を置く、いわゆる「置き配」が一般的です。運送会社の中には、人に手渡しで荷物を配達する場合、追加料金を取るところもあります。

 米国は治安が悪いというイメージを持つ日本人は多いのですが、米国は地域差が激しく、ミドルクラス以上が住む住宅地の治安はむしろ日本より良好というケースはザラにあります。このため置き配が中心であっても、荷物の盗難は思ったほど多くありません。

 それでも置き配の場合、盗難されるリスクはゼロではありませんし、何より雨が降った際には、荷物が濡れてしまいます。これを防ぐために開発されたのが、クルマのトランクに配達するという今回のサービスです。

 米ゼネラル・モーターズ(GM)やスウェーデンのボルボなどの一部車種には、アプリを使ってキーを開ける機能が搭載されています。アマゾンはこの機能を利用し、利用者が指定すれば、配達員が一時的にクルマのカギを開け、商品をトランクに入れられるようにしました。

 米国では、多くの人が、自家用車をガレージに入れず、自宅の前の道路や玄関先に停めています。また、職場に自家用車で通勤する人も多く、職場の駐車場に停めている時間は一日のうち、かなりの割合を占めることになります。クルマのトランクは一般的な米国人にとって有力な荷物の受け取り場所といってよいでしょう。 

 アマゾンは昨年、配達員が、無人の家の中に荷物を置いてくれる「アマゾン・キー」というサービスをスタートさせています。対応するスマートキーとクラウドで動作するカメラを設置すれば、配達員がカギを開けて中に荷物を置いてくれます。配達員に提供されるカギの解除キーは一回きりのものですし、カメラで状況が撮影されていますから、よほどのことが無い限り、配達員が不正を働くことはありません。

 日本では他人がドアやトランクを開けることに抵抗を覚える人が多いかもしれませんが、再配達の問題は世界でも日本は突出して深刻です。こうしたテクノロジーを使った解決方法は、日本でも導入を検討した方がよさそうです。

(The Capital Tribune Japan)