ソフトバンクの内川は通算2000本に残り2本でプレッシャーから足踏みした

通算2000本安打に残り「2」に迫っていたソフトバンクの内川聖一(35)が3日、ZOZOマリンで行われたロッテ戦でノーヒットに終わり、偉業達成の瞬間は、今日4日から地元福岡のヤクオクドームでのオリックス3連戦に持ち越しとなった。王貞治・会長や工藤公康監督は、本拠地のファンの前で達成する可能性が出てきたことを前向きに捉えているが、本人には、さらにプレッシャーが増しているようだ。過去には王手をかけて33日間、足踏みした例もあるのだが果たして……。

 報道陣の数が日増しに増える。内川も家族や友人を千葉の幕張に呼び寄せて、その瞬間に備えた。
 だが、2000本マジック「2」で迎えた、この日、内川はスコアボードの「H」マークにランプを灯すことができなかった。マウンドには、ロッテのエース涌井秀章。昨年は、8打数2安打、率.250の対戦成績で得意としている投手ではない。
 第一打席は、柳田悠岐の特大の先制ソロが飛び出した直後の初回に回ってきた。パイロットのような変わった形のサングラスをつけて臨んだ。カウント0-1からの103キロのボールのカーブに手を出してファウルとなったが、金縛りにあっているようにぎごちなかった。結局、甘めのスライダーにスイングアウト。第二打席は4回の先頭。今度はサングラスを外していた。体に向かってくるようなツーシームにどん詰まりのピッチャーゴロ。第3打席は1-2のスコアで迎えた6回無死一塁だったが、今度はカットボールにまったくタイミングが合わない。バットの先っぽが、ボールにこすれたようになり、ボテボテの打球がセカンドへ転がった。気ばかりが逸り体が開いてしまっているのだ。芯でボールを捉えるバットコントロールにかけては天下一品の内川が別人のようだった。ベンチに戻る際、「あかんわ」と呟いたのが印象的だった。

 7回は柳田の逆転の三塁打の後の一死三塁の追加点機。ロッテ3番手の田中靖洋のシュートを右打ちしたが、ライナーで、一塁手のミットに収まり、柳田が飛び出していて残念な併殺打になってしまった。
「チームに申し訳なかった」と試合後に内川が悔やんだ場面だ。
 守備から内川はベンチに引っ込みカウントダウンは進まなかった。
 
 それでも幕張に足を運んだ王会長は「残念だったけど、考えてみれば、これで本拠地でね。ファンもそりゃあね。でも本人は一日でも早く打ちたいと思っているよ」と、内川を気遣い、本拠地での達成の可能性が高まったことを前向きに話した。
 工藤監督も「ここで打てればよかったんだろうけど、(ヤフオク)ドームで打てばファンも喜んでくれる。プレッシャーがあるだろうから早く達成して欲しいんだけどね」と、ヤクオクドームに持ち越したことをプラスに捉えてサポートを約束した。
 思わぬ足踏みが、本拠地達成の舞台につながったのである。
 チームは逆転で初の同一カード3連勝。“2000本狂想曲”が巻き起こっている間も負けなかったことが内川にとっては救いなのだろうが、移動のためにスーツに着替えてバスに乗り込んだ、その表情はさえなかった。
「またプレッシャーを受ける中でやらなきゃいけないんだ……」
 
 このカードの初日に2試合連続の本塁打を含む2安打を打って、ヒーローインタユーの指名を受けたときに思わず本音を漏らしていた。

「自分の中では(2000本を)意識していないつもりでスタートしたんですが、周りの反応とか、取材の多さとかで、2000本が凄いことだ、と実感したことで意識過剰となりました。早く達成して、日本一に向かって純粋に打席に立てるように。早く打ちたい」

 一日も早く2000本のプレッシャーから解放されて平常心に戻りたいとの強い思いがある。