イチローの異例の引退せずに球団補佐就任を米メディアはどう捉えたのか(写真・USATODAY/ロイター/アフロ)

シアトル・マリナーズのイチロー外野手(44)がベンチ入りロースターを外れ、今季の試合出場はせず、球団会長特別補佐に就任したニュースは全米を駆け巡った。球団側が提示した生涯契約を含めて、極めて珍しい処遇が取られることになった。
 ニュヨークポスト紙のように「事実上の引退」と報じるメディアもあったが、メディアの多勢が「正式な引退ではない」という球団サイドとイチローの発表をストレートに報道。そして、この正式に引退をせずにチームに帯同し練習をしながらチームをサポートするという異例の処遇を支持するものが多かった。

 NBCのフィラデルフィア局は、「大リーグレジェンドのイチローがフィールドを離れて新たな役割に転身する。しかし引退はまだ」との見出しで報じて会見後の様子を追った。

「会見後に行われた試合の始球式の約3時間前、イチローは、マリナーズのチームメートに交じり、外野をユニフォーム姿でランニングしていた。黒のグローブで、いつもの試合前のルーティンをこなし、守備練習でフライを取り、ケージで打撃練習をしていた。ただ、この日は、例外として44歳のイチローには準備すべき試合はなかった。今夜も、また2018シーズンは1度も、それはなくなる。そして彼の(これからの)キャリアでもないのかもしれない。ただ、彼は、まだクラブハウスに居続ける。試合が始まるとベンチを離れなければならないが、クラブハウスに場所を見つけるだろう。彼は2018年の残りを選手としてはプレーしない選手兼コーチとなる」

 そして同メディアは、スコット・サービス監督の「イチローの役割は時間を追って変わっていくだろう」というコメントを伝え「チームはイチローによる外野守備、走塁、打撃面でのサポートを期待している。ユニークな選手に与えられたユニークな環境だ」と続けた。
 
また「イチローの選手としてのキャリア、マリナーズの選手としての可能性が閉じるとは考えていない」というジェリー・ディポトGMのコメントを紹介。

「もしかしたらイチローの視野にある最も明らかな次の出場機会は2019年にシアトルがアスレチックスを相手に行う日本での2試合の開幕シリーズになる」と、来年3月20、21日に東京ドームで開催されるアスレチックスとの公式戦での試合出場を示唆した。

 結果的に2日(日本時間3日)のアスレチックス戦がイチローの今季最後の出場試合になったが、「一握りの人間のみが知っていた」という。イチローの処遇についての話し合いは、数週間前から始まり、「会長特別補佐に就任し、チームに帯同して練習を続け、来季以降には出場機会の可能性がある」という最終計画がイチローサイドに提示されたのは4月30日(日本時間1日)だという。

 同メディアは「9番・レフト」でスタメン出場したアスレチックス戦での最終打席をクローズアップした。

「イチローは2-3のスコアで迎えた九回にヒーローになりかけた。2塁に同点の走者がおり、わずか数フィート(約60センチ)のファウルとなる惜しい当たりを放った。そして彼の2018年の最後の打席は空振り三振だった」