自力Vが消滅した楽天の梨田監督。再浮上に打つ手はあるのか?(写真・黒田史夫)

開幕31試合目にして早くも楽天の自力Vが消滅した。7勝23敗1分けで、首位を走る西武とは実に16ゲーム差をつけられた。開幕から泥沼から抜け出せなかった昨年のロッテは、37試合目で自力Vが消滅して、ついに浮上することがないまま最下位に終わったが、楽天は、それよりも6試合も早い。31試合中、手がつけられない勢いのある西武との対戦カードが9試合もあって、それだけで借金「7」だから、少し気の毒な面もあるが、チーム状態は、なかなか好転してくれない。

 現在、チーム成績のほとんどの部門がリーグ最下位。チーム打率.216、得点89、盗塁15.得点圏打率.211に加えて、チーム防御率4.58、失点150も最下位だ。特に目立つのが打撃不振。
 ペゲーロは、6本塁打を打っているものの打率は1割台。アマダーも5本塁打で打率.207。昨年31本塁打を打ったウィラーは、まだ2本しかマークできていない。彼らは共通して昨年までバットが止まっていたゾーンのボールに誘われてしまうようになった。銀次も打率.225、茂木栄五郎も、まだ打率.257、2本塁打でエンジンがかからない。主力が総崩れなのだ。

 西武、ヤクルトで監督を務めた“球界大御所”の広岡達朗氏は楽天の自力V消滅が「不思議だ」という。

「オープン戦を見る限り、ここまでの打撃不振になるとは想像もできなかった。去年の夏までに見せた勢いに加え、内田靖人らのオープン戦で目立った若い選手がプラスアルファとなり、則本昴大、岸孝之という計算のできる先発2人に、抑えの松井裕樹も安定しているので“今年は優勝争いする”と期待していた。今の結果は不思議だ。だが、外国人偏重のチーム構成だけに彼らが、一旦、不振に陥ると、こうなる危険性もあった。おまけに抑えがゲームを壊して、中継ぎ陣が弱いのだから勝ちパターンを作れない。相手チームの研究なのか。楽天側の準備不足、調整不足なのか」

 オープン戦では3位につけた。チーム打率.269はリーグ2位の数字だった。昨年は息切れしたが、梨田監督は「優勝」の二文字を目標に掲げた。だが、蓋をあけてみれば、1か月間もずっとトンネルの中だ。

 則本、岸というリーグ屈指の2枚看板を持ち、連敗がないのが売りのはずだったが、岸は、防御率1.89でありながら、2勝1敗で、打線の援護を受けることができず、則本は2勝3敗、防御率.5.26と波に乗れない。昨年11勝の美馬学、8勝の辛島航に至っては今だに勝ち星に恵まれていない。
 ストッパー松井の不調も想定外だろう。二段モーションの解禁でワインドアップにしたフォーム改造が悪影響を与えていたのだろうか。現在、元に戻すなど試行錯誤しているが、マウンド上でも自信なさげだ。