初めてオーストラリアに行ったのは今から12年前。シドニーを中心に回った撮影だったので、ここに滞在したのはわずか1日。記憶に残っているのは、波打った屋根が夕日に照らされたサザンクロス駅。移動の慌ただしさから、ほっと一息ついたホテルの窓から見えた風景だ。

 英国のエコノミスト誌の調査部門で「世界で最も住みやすい都市」に7年連続で1位に選出されている街、オーストラリアのメルボルン。昨年日本からの直行便も増え、観光でも注目されているという。“世界一住みやすい街”とは一体どんなところなのだろうか。あれから12年、そんなメルボルンの街を再び旅した。

フォト・ジャーナル<世界で最も住みやすい街メルボルンへ>倉谷清文第11回

メルボルンのアイコン的存在でもあるビーチハウス

 休日のビーチは地元の子供達や観光客で賑わっていた。

カラフルなペイントの小屋は観光客の撮影のメッカ

 メルボルンの市街地から10kmほど南にあるブライトンは、ポートフィリップ湾に面する高級住宅地。そこのビーチに約80軒のカラフルな小屋が並ぶ。ベイジングボックスと呼ばれるこの小屋はもともと更衣室として使われてきたが、その長い歴史と町のシンボルとしての存在から、今は文化財的な扱いになっている。

ビーチの向こうにメルボルンの市街地が見える

 所有者によりその使い方はそれぞれだそうだが、家具を置いたりしてちょっとした居室のように使われているものもあるという。たまに売りに出されることもあるそうだが、水道も電気も引かれていないのに、数千万円の値がつくというから驚きだ。(つづく)

※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<世界で最も住みやすい街メルボルンへ>倉谷清文第11回」の一部を抜粋しました。

(2018年3月撮影・文:倉谷清文)