井川遥(2006年11月撮影:志和浩司)

 NHK連続テレビ小説『半分、青い。』は舞台を東京に移したが、井川遥の存在感が光っている。女優陣ではヒロイン・楡野鈴愛役の永野や幼馴染の木田原菜生を演じる奈緒といった若手がフレッシュさで話題を集める一方、母親役の松雪泰子、原田知世といったアラフォー、アラフィフのベテランがたしかな演技力でいい味を出しているが、中でも鈴愛が弟子入りした漫画家・秋風羽織(豊川悦司)の秘書・菱本若菜役の井川の好演はドラマのスパイスとなって話題を呼んでいる。

朝ドラでピンクハウスを着こなす漫画家秘書役が好評

 朝ドラ初出演の『純情きらり』のころは29歳~30歳だった井川も、その年に結婚して気がつけば現在41歳、2児の母でもある。美人女優といわれて久しいが、癒し系でおっとりした印象のルックスでありながら、同時に、芯の強さを感じさせる。ドラマでも、鈴愛の父・宇太郎(滝藤賢一)を相手に、電話でクールな怒りをこめたセリフを早口で理路整然と浴びせかけるシーンがあったが、その振れ幅がまた、大きな魅力だ。

 11日の第35話放送終了後、『あさイチ』にゲスト出演した井川。ドラマの時代設定に合わせ、ピンクハウスで全身コーディネートしたフェミニンな衣装もファンの間で話題となっていて、中にはそれが楽しみで初めて朝ドラを観ているという人もいるようだ。『あさイチ』では、自身も毎回着るたびにワクワクすると楽しそうに語っていたが、コミックの中から飛び出してきたようなロマンティックで夢いっぱいのファッションは、漫画家の秘書役にはピッタリかもしれない。

 80年代に大ブームとなったブランドだが、鈴愛が上京した1990年ごろもピンクハウスを着た女子は確かに街中で見かけた。筆者などは正直、やはりその時代でもあれは目立つというか、歩くフランス人形のように見えていささか「浮いて」いた女性が多かったような記憶がある。ただ、浮くのが悪いわけではなくて、似合うか似合わないか以前に、ピンクハウスを着た女性には“好きだから着る”という確固たる意志を感じたものだった。井川自身は1976年、東京都墨田区生まれ。役の菱本より一回りほど世代は違うが、バブル期に思春期を過ごし、時代の匂いは知っているのだろう。もとがいいといわれればそれまでだが、インパクトの強いピンクハウスを、衣装に負けずに着こなしていて、本当にチャーミングだ。毎朝、目の保養になるといったら褒めすぎだろうか。

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