屈指のスピードとスタミナを持つ永井謙佑(FC東京)がJリーグの舞台で最後の代表入りアピールをした(写真・アフロスポーツ)

W杯ロシア大会に臨む日本代表メンバーの選考が大詰めを迎える。国際サッカー連盟(FIFA)へ登録する最大35人の予備登録メンバーの申請が、今日14日に締め切られる。ハリルホジッチ前監督の電撃解任を受けて、4月上旬に慌ただしく就任した西野朗新監督は、極めて限られた時間のなかで、23人の正式メンバー選出へ向けた大元のリストを作成するという最初の大仕事に臨むことになる。締め切り前の最後の週末となった12、13日には、西野監督を含めたコーチングスタッフや技術委員会のメンバーが総出となってJ1リーグを視察した。最後の代表アピールに成功した選手はいたのか。

 名前を挙げられるに値するパフォーマンスを発揮した一人が、50m5秒8の日本人選手のなかでも屈指の韋駄天ぶりを武器とするFW永井謙佑(FC東京)だろう。

 2トップの一角として先発に定着したガンバ大阪とのJ1第5節以降の10試合で、永井は323回ものスプリントを記録。1試合平均で32.3回に達し、大雨に見舞われ重馬場となった13日の北海道コンサドーレ札幌戦でも39回をマークした。

 日本がグループリーグで対峙するコロンビア、セネガル、そしてポーランド代表は、いずれも前線に強力なアタッカーを擁する格上の相手となる。相手の脅威に耐える時間帯が必然的に増えてくるなかで、乾坤一擲のカウンターを仕掛けられる永井のスピードは大きな武器になる。

 同じくスピードで勝負するFW浅野拓磨は所属するシュツットガルトで実質的な戦力外となり、今年に入って一度もブンデスリーガのピッチに立っていない。ゲーム勘やゲーム体力が著しく衰えている状況を踏まえても、Jリーグで好調を維持する永井の存在感が際立ってくる。

 しかも、スピードだけでなく、ダッシュを繰り返せる無尽蔵のスタミナをも搭載している永井は、前線からプレスをかける「一の矢」を担うこともできる。間合いを一気に詰められ、しかも執拗に繰り返してくる永井の姿は、対戦相手にとっても厄介なはずだ。

「W杯のことは、特に気にしていません。まずはチームで頑張るのが基本なので」

 2015年8月の東アジア選手権を最後に代表から遠ざかっていることもあって永井も多くは語らない。

 シュートの精度や細かいテクニックには難があるものの、途中出場でも十二分に生きるスピードを日本の攻守に組み込まない手はない。