トヨタ自動車が過去最高益を更新しました。コスト削減を徹底したことで、市場予想を上回る業績となっています。

写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ

 同社の2018年3月期における売上高は前年比6.5%増の29兆3795億円、当期純利益は前年比36.2%増の2兆4939億円と、過去最高益を更新しました。連結販売台数は896万台で、前年比で微減となりましたが、グループの総販売台数は1044万台となり、こちらも過去最高となっています。

 利益が大幅に拡大した理由の一つは、為替の推移です。2017年3月期における為替レートは平均すると108円で、2018年3月期についても105円程度を見込んでいました。しかし為替市場では円安が進み、結局は111円前後で推移。海外の販売については円安がそのまま売上げと利益の拡大に結びつきますから、これが営業利益を大幅に押し上げました。

 しかしながら増益になったのはそれだけが要因ではありません。もともとトヨタはコスト削減に熱心な企業ですが、前期はさらにコスト削減を徹底し1650億円を捻出しています。コスト削減を進めたところに円安の波が加わり、過去最高益となったわけです。

 今期(2019年3月期)の売上高については1.3%減の29兆円、純利益については15%減の2兆1200億円を見込んでいます。前期と比較すると減収減益ですが、その理由は想定為替レートを105円に設定したからです。同社は常に厳しめの為替レートを設定し、業績予想を上方修正していくパターンが多いですから、実際の業績はもう少し良くなる可能性が高いでしょう。しかしながら、同社の業績が為替に大きく依存しているのも事実であり、為替に業績が左右されないようにするためには、コスト削減をさらに進めていく必要がありそうです。

 良好な決算に市場の反応も上々ですが、不安要因もあります。以前から指摘されていたことですが、主戦場である北米の販売はあまり好調ではありません。販売台数は280万台と前年比で1%減少、北米の部門利益は3309億円から1321億円と大きく減っています。北米市場は飽和状態になっていると言われており、販売奨励金などが利益を圧迫しています。多くの自動車メーカーは今後の成長市場として中国を見据えていますが、中国での販売がどう推移するのかは現時点では何とも言えません。来期以降は北米市場の動向に加え、同社の中国戦略が注目されることになるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)