大阪で男子100mに最強カルテットが顔を揃えたが期待の9秒台は出なかった。左からケンブリッジ飛鳥、多田、山縣、桐生(写真・アフロスポーツ)

ロンドン世界選手権の男子100m王者、ジャスティン・ガトリン(米国)でさえ9秒台に届かない。セイコーゴールデングランプリ大阪の男子100mはタイムだけを見れば物足りなかったといえるだろう。向かい風0.7mの条件下で、ガトリンの優勝タイムは10秒06。日本勢は山縣亮太(セイコー)が10秒13、桐生祥秀(日本生命)が10秒17、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)が10秒19、多田修平(関西学大)は10秒32だった。

しかし、日本勢トップの2位に食い込んだ山縣の表情は明るかったし、桐生とケンブリッジも自身のパフォーマンスに及第点を与えていた。その理由はどこにあるのか。

 まずは昨年の日本選手権で敗れた同じトラックでライバルたちに先着した山縣だ。得意の序盤で桐生にリードを許すも、中盤の加速で前に出て、桐生に競り勝った。

「スタートをテーマにやってきたんですけど、そこは納得していません。ただ出遅れたわりには、中盤で抜けていけたのは手応えになりましたね。今年は記録よりも勝負にメンタルを持っているので、接戦で(桐生らに)勝てたのは良かったです」

 直前の練習では日本歴代2位の10秒00を出したときに近い状態だったというが、本番ではスタートから序盤にかけての加速が良くなかった。それでも、4月29日の織田記念(10秒17/+1.3)よりも着実にステップアップしている。

「レースを重ねていく中で内容は良くなってきているので、次につなげられそうです。自分の走っている感覚では10秒1台かなと思ったんですけど、これまでだったら10秒2台の感覚だったと思います。自分の中の感覚が少し上がってきているんです」と山縣。

 向かい風0.7mで10秒13のタイムなら、無風条件では10秒0台が出ていた計算になる。

 昨年のゴールデングランプリ川崎は優勝したガトリンが10秒28(-1.2)で、ケンブリッジが10秒31、多田が10秒35(山縣と桐生は参戦していない)。一昨年の同大会はガトリンが10秒02(-0.4)で圧勝して、山縣が10秒21、桐生が10秒27だった。条件は異なるものの、過去2大会と比較しても、山縣、桐生、ケンブリッジのタイムは向上している。ガトリンもレース後に、「日本人選手全員が自信を持っていて、レベルが高くなっている。このレースにしっかり準備しないといけないと思っていた」と話していた。

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします