女性記者のセクハラ被害事例を公表(THE PAGE)

 メディア業界で働く女性のセクハラ事例を調査している大阪国際大学の谷口真由美准教授が21日午後3時から、東京の外国特派員協会で記者会見した。

 女性の人権に詳しい谷口氏は、財務省の福田淳一前事務次官がテレビ朝日の女性記者にセクハラ発言をした疑惑をきっかけに、新聞やテレビなどの女性記者のセクハラ問題を調査するために、被害事例の情報提供をメディア業界で働く女性らに呼びかけていた。その結果、150件の事例がまとまり、それを会見で公表した。

 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「【中継録画】女性記者のセクハラ被害事例を公表 谷口真由美准教授が会見 」に対応しております。

【中継録画】女性記者のセクハラ被害事例を公表 谷口真由美准教授が会見

調査概要について

谷口:本日は皆さまお集まりいただきましてありがとうございます。またこのような機会を設けていただきましたFCCJの皆さまに、心よりの感謝を申し上げます。ありがとうございます。本日、お手元にハンドアウトが配布されているかと思いますが、そちらを見ていただくと私たちのやった事例というのが掲載されておりますが、中にあります事例はたった5つしか掲載しておりません。あと145の事例は公表できるデータとして持ってはおりますが、全て英訳しているわけでもありません。

 ですので、皆さんのハンドアウトに調査の概要、調査結果、それからそこから見えてくる5つの事例と分析というのを加えたものを配布しております。ですので、今から5分ほどで簡単に概略を説明いたしまして、あとはもう皆さまからのQ&Aを受けようと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

 今回、ハンドアウト1を、調査概要を見ていただきたいのですが、まず調査方法ですがこれは私が自分のFacebookで呼び掛けをいたしました。で、その結果600を超えるシェアをしていただき【音飛び 00:06:15~00:06:18】で、集まった事例が150になったというものです。

 で、調査の実施団体ですが私が1人でするということは大変だろうということで、旧知のメディアの中にいらっしゃる方、また今回、申し出てくださった女性の現役の新聞記者、またテレビ局の局員の方、それからウェブメディアの方たちが一緒になって作ってくださったものです。ですので、2の調査結果に入りますが、寄せてくださった事例の中の属性というのはその友人たちもしくは記者さん同士の横の連携で、あなたもこんな事例があったんじゃないという呼び掛けをしていただいた結果だというふうに認識しております。

 2の2に入りますが、被害を受けたときの年齢というのが20代というのが圧倒的に多く、今回の調査の中の77件、50%を超えているものとなっています。これは、年齢を重ねていくと日本的なのかもしれませんが男性が女性をからかったときに少し恥じらうということが、恥じらいを楽しむというところがあると思うんですけれども、そういうのがなくなっていくからだろうというふうに思われます。

 今回、2の3に入りますが、被害者というか今回、申し立ててくださった方の性別は男性が被害というか0件、女性150件という結果になりました。

 さて、2の4なんですが、ここからが一番、今回お話ししたいことの1つ、ポイントになりますが、相手方としてマル1をご覧いただきたいんですが、警察検察関係者からの被害というのが12%。2番目が政治関係者で11%。3番目、公務員が8%。この1、2、3がいわゆる権力側にある人々という言い方ができます。つまり約3割は、被害の3割というのは、権力関係者の男性からメディアの女性になされているということです。それに加えマル4、社内つまり女性の上司、もしくは同僚からなされているセクシャルハラスメントというのが4割に上るということになります。それでお断りなのですが、小数点以下を四捨五入しております関係で、全て足しますと100にならないところもあるんですけれども、その点ご容赦いただきたいと存じます。

 さて、社内からの4割というのも非常に深刻な問題でして、メディアというのは社会の公の器、公器であり社会の鏡であるというふうに言われますが、それが社内の中でセクハラをされているとなると、訴えようにもまず社内で理解をしてもらえない。で、今回の事例の中にも出てきたんですけれども、上司に止められる、「#MeToo」の報道をしようとしたら止められるというようなケースもたくさん聞かれました。で、これが社内というか組織の中に属している女性ですらそういう状況であるということは、いわんやフリーランスや契約の方というのがメディアの中にはたくさん働いておられますが、そういう方はもっとひどいのではないかというふうに推察されます。

 さて、2の5に入りますが、ハラッサー、相手方としての性別ですが男性が97%、女性が3%という結果が出ました。で、これは女性の3%というのが多いか少ないかと感じるのは皆さん次第なのですが、これは女性が上司に被害を訴えた際に、それくらいあなたも我慢しなさいと言われるような、いわゆる2次被害のハラッサーとうような結果が多かったということをご報告しておきます。

通訳:女性の上司?

谷口:女性の上司。すいません。そして2の6に入りますが、被害にあった場所として飲食店、それから職場というのもありますが、出張先であったり車中、それから相手方の自宅なんていうのも出てまいります。で、これが日本の中では誤解と偏見を招いているところなんですが、職場という概念の中には厚生労働省のガイドラインによれば、労働者が業務を遂行する場所であるというふうに定義をされています。それによると、例えば取引先の事務所、顧客の自宅、出張先、取引先と打ち合わせするための飲食店、これは接待の場所を含むと。それから取材中、業務で使用する車中などが挙げられています。

 ですので、メディアの方に本当に気を付けていただきたいのは、こういう報道がなされる際になぜ相手方の自宅に行ったのだ、女性記者がなぜそんな接待の場に行ったのだというようなことがありますが、それは2次被害になりかねないということです。なぜならばそれは職場であるという定義がきちんとなされているということです。で、私たちのところに寄せられた事例の中でも、こんな状況で車の中に入ってこられるんだというような事例がございました。それはまた後ほど、事例のところでもお話しできればと思います。

 それで3番目の寄せられた事例についてというところで、今回、5つ特徴的な事例を挙げております。1つは多く寄せられたのは、女性記者が地方勤務もしくは地方局にいるときにハラスメントに遭いやすいということが出てまいりました。例えば寄せられた事例の一部の1としてなんですが、皆さまのお手元の資料にもございますが、これは被害に遭ったとき、女性は全国紙の記者で地方勤務でした。で、相手方は警察の幹部です。この事例をご覧いただきますと、とにかく日常、警察署内でもいわゆる下ネタというものが横行していたと。これはたくさんの証言からも伺えることなんですけれどもこの方には限りません。

 で、先ほど申し上げたみたいに20代前半、新人の女性、もしくは若い女性の記者がターゲットになりやすく、そういう下ネタというかそういうものからの免疫のない若い女性記者たちが鬱病を発症したりとか、精神を病んでいくという事例、これもそうなんですがほかにもそういう事例が出てまいりました。ほかの事例もお読みいただきますと分かりますので、割愛いたします。