日本でもグーグルホームやアマゾンエコーといったAI(人工知能)スピーカーが徐々に家庭に普及しはじめていますが、一部の利用者に、あるやっかいな問題が発生しているようです。それは、恥ずかしくてAIスピーカーに話しかけられないというものです。

写真:アフロ

 グーグルホームの場合には、機械を動作させる前に「OKグーグル」と話しかける必要があります。日本語版ではこれに加えて「ねえグーグル」という言葉にも反応するようになっています。アマゾンエコーの場合には「アレクサ」と話しかけると動作します。

 ところが、一部の利用者はこの呼びかけが恥ずかしいようです。ある中高年男性は「家族の前では話しかけづらい」として購入を躊躇しているそうです。一人で話しかけるのが何かむなしい感じがするといった意見や、AIに聞き取ってもらえなかった時にショックを受けるという意見もあるようです。

 KDDIが行った調査によると、自宅で周囲に人がいる場合には7割以上が「音声操作したいと思わない」と回答しており、周囲に人がいない状態でも、音声操作をしたくない人は6割に達しています。

 AIスピーカーの先進国である米国においても、音声アシスタントを見知らぬ他人の前で操作することについては、恥ずかしさを感じる人が一定数いるようです。しかしながら、AIスピーカーはすでに4000万台も普及しているという現実を考えると、1人もしくは家族しかいない状況で音声操作することに抵抗感を持つ人が多いとは考えられません。

 無視されるとショックを受けるかは別問題として、人間の発話をAI側がしっかり認識しないとAIスピーカーとして機能しませんから、メーカー側はどんな環境でも利用者の声を認識できるよう工夫を凝らしています。利用する環境にもよりますが、実際、グーグルホームやアマゾンエコーを使ってみると、かなり遠くからでも利用者の声を聞き取りますし、テレビや音楽がかかっていても大丈夫です。どちらかというと地獄耳に近いレベルといった方がよいかもしれません。聞き取ってもらえないというのはおそらくイメージに過ぎないでしょう。

 日本ではロボットは基本的に人型というイメージがあるように、機械を擬人化する傾向が強く、相手を人間だと思ってしまうのかもしれません。また諸外国とは異なり、家族の間でもくだけた会話をしない人が多い可能性もあります。

 しかしながら、いくらAIが進化しても機械は機械ですから、ハサミやエンピツと同じです。道具は使い尽くさなければ意味がありませんから、慣れてしまうのがもっとも手っ取り早い解決方法でしょう。
  

(The Capital Tribune Japan)