『俺、つしま』担当の「おじさん編集者」に「これは!」と思わせたつしまの家出シーン(提供:小学館)

 ここ数年、猫×SNS×漫画の組み合わせが熱い注目を集めている。『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』(KADOKAWA)や『夜廻り猫』(講談社)といったいわゆるツイッター発猫漫画が爆発的ヒットとなっており、従来の紙媒体連載漫画のコミック化とは違った漫画の売り方、ヒットのルートが確立されつつある。そんな中、今、大ヒットを打ち出している猫×SNS×漫画がある。

 昨年7月にツイッター上で初めて発表された『俺、つしま』。7社ほどの出版社から書籍化のオファーを受けており、果たしてどうかなるかと思っていたところ、今年4月に小学館からコミック化された。担当の通称「おじさん編集者」に話を聞いた。

書籍化オファー続々 飼い主が描くリアルなSNS発猫マンガ『俺、つしま』

シュールなのにリアル、笑って泣いちゃう猫漫画

『俺、つしま』担当の「おじさん編集者」に「これは!」と思わせたつしまの家出シーン(提供:小学館)

 「私自身、主人公のつーさん(つしま)と同様の野良出身の猫と暮らしていることもあり、最初にツイッターで見たときから気になっていた漫画でした。これはっ!と思ったのは、つーさんが家出をして、木にとまっているカミキリムシを〈ガシッ〉と手で捕まえて〈ムシャムシャ〉と食べ、次のコマで〈パキ〉と噛んでいる音を描いているのを見たときです」(単行本32ページより)

 腹巻をした一見強面の2足歩行の猫なのに、毛並みや仕草、表情やらが、やたらとリアルに描かれている。〈パキ〉と虫を噛む時の口の形まで、妙に生々しい。なんともいえない衝撃を受け、直感的に「これはイケる!すごい猫漫画だ!」と思ったそうだ。

 『俺、つしま』の魅力は抜群の画力と、細かな仕草など猫を知り尽くした人にしか描けない描写力から生まれる「リアル感」だろう。作中では実際には人語を話したり人間のように歩いたりするのだからシュールといえばシュールなのだが、妙にリアルで違和感がない。

 「作者は〈おぷうのきょうだい〉を名乗る兄妹のユニット。これまでたくさんの野良出身の猫と暮らしてきたそうです。『俺、つしま』でも猫たちと暮らす中で実際に起こった出来事を見たままに描いているため、絵のうまさも手伝ってなおさらリアルに感じるのかもしれません」(おじさん編集者)