シェアハウス向けの不正融資問題に揺れるスルガ銀行が、本格的な調査を行うため第三者委員会を設置すると発表しました。複数の行員が不正に関与していた疑いが持たれていますが、シェアハウス向けの不正融資とはどのような仕組みになっているのでしょうか。

「かぼちゃの馬車」に揺れる「夢先案内人」スルガ銀行とは

シェアハウス問題で揺れるスルガ銀行=静岡県沼津市

 スルガ銀行はその名前の通り、静岡県を拠点とする地方銀行です。一般にはあまり知られていませんが、地方銀行の業界や不動産投資の世界ではその名前を知らない人はいません。同行は地方銀行としては突出した好業績を上げており、金融庁も同行を経営の参考にするよう各地方銀行を指導していたほどです。

 スルガ銀行が好業績を維持している理由は、企業向けの融資からいち早く撤退し、住宅ローンやアパートローンなど個人向けローンに特化したことです。特にアパートローンは低金利の時代においても、高めの金利を設定できますから、利益率が高くなります。しかし、アパートローンに力を入れすぎた結果、今回のシェアハウス向けの不正融資が起こってしまったというわけです。

 今回の不正融資の中核となっているのは、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズという企業です。同社は女性限定のシェアハウスを建設し、これを投資家に販売していました。通常のアパート経営は、入居者を確保するのはアパートの所有者(投資家)の責任ですが、同社はいわゆる「サブリース」と呼ばれるシステムを採用しており、入居者の募集なども同社が行い、所有者には長期にわたる家賃の支払い保証をしていました。

 しかしながら、そのような甘い話には落とし穴があります。サブリース事業者もビジネスですから、市場環境が変わった場合には、所有者に支払う家賃を減額することができます。今回の問題もスマートデイズ側が支払う家賃を大幅に減額したことが発覚のきっかけとなりましたが、同社の場合、最初からうまくいかないことを分かっていながら、家賃を保証していた可能性が高いと考えられます。スマート社としては、アパートを売ってしまえばとりあえず利益が出ますから、後のことまでは考えていなかったわけです。

 本来であれば、こうした物件には融資されないはずですが、銀行に提出される資料を改ざんしたり、見せかけの預金を行うといった偽装工作を行って銀行の審査をくぐり抜けていた可能性が指摘されています。

 当初、スルガ銀行側は騙された側だと主張していましたが、かぼちゃの馬車向けの融資はアパートローンの2割に達していたとの報道もあります。最初のうちは本当に騙されていたのかもしれませんが、ここまで案件の数が増えてくると、融資のプロである銀行がこれに気付かないわけがありません。やはり一部の行員が不正に関与していた可能性は高いでしょう。

(The Capital Tribune Japan)