「一部店舗を除くほぼ全店禁煙」を打ち出して賞賛されていた串カツ田中が、なぜかプチ炎上するという事態になっています。どういうことなのでしょうか。

写真:アフロ

 串カツ田中は今年の4月、立ち飲み形式の店舗を除く全店で6月1日から全席禁煙にすると発表しました。国内では受動喫煙防止法が骨抜きの状況となっていることもあり、同社の取り組みはネットで高く評価されました。

 しかし、その後、発表された各店の禁煙状況では、フロア分煙となっている店舗や、喫煙ブースを設置している店舗などが混在していることが分かり、一部から批判の声が上がりました。因果関係は不明ですが、喫煙者を名乗る利用者が公式ツイッター上で、ある店舗を喫煙に戻して欲しいと要望したところ、その店舗を「分煙にしました」という回答を同社が出したことも火に油を注いだようです。

 禁煙を進めようとしている同社が批判されるのは少し酷な気もしますが、一方で、同社が受動喫煙問題についての十分な認識を欠いていることも事実です。

 厚生労働省が2016年に公表した「たばこ白書」では、喫煙室の設置や分煙といった措置では受動喫煙問題を解決できないとはっきり指摘しています。国際的にも単なる分煙や喫煙室の設置では、受動喫煙対策を行ったとはみなされません。あたかも完全禁煙であることをイメージさせるようなリリースを行い、徐々に現実が明らかになってくるという状況は、かえって顧客の感情を害する可能性があります。 

 また一部喫煙可の店があるということになると、顧客は自分が行こうとしている店が禁煙なのかいちいち確認しなければなりません。割合としては圧倒的に少ない喫煙者のために、非喫煙者が手間をかけなければならないことについて、彼等は苛立ちを強めています。

 居酒屋という業態においては、社会全体としては少数派である喫煙者が好んで通うというビジネス上の現実があります。また喫煙者の方がアルコールの消費も多く、店としては客単価の向上につながります。

 禁煙にしてしまうとこうした顧客を失ってしまうことを事業者側は恐れているわけですが、特定の顧客層のために別の顧客層が我慢すべきだという価値観はもはや通用しません。司法も、公共の場での喫煙は他人に危険を及ぼす行為であり、非喫煙者が受忍するという概念は成立しないとはっきり指摘しています。喫煙者を取り込みたいのであれば、堂々と喫煙可としなければ、筋が通らないでしょう。 

(The Capital Tribune Japan)