ヤンキースタジアムに乗り込みノーヒットに終わった大谷をNYメディアが叩いた(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

エンゼルスの大谷翔平が25日(日本時間26日)、ニューヨークのヤンキースタジアムで行われたヤンキース戦に「DH・5番」で先発出場した。メディアもファンも厳しい目を向ける東海岸への注目の初上陸となったが、ブーイングを浴びる中で、3打数ノーヒット、1四球の結果に終わった。1点を追う8回二死一塁の場面ではストッパーの“メジャー最速”チャップマンを送り込まれて激突。164キロのストレートの前にショートゴロに倒れた。ニューヨークメディアは、どう報じたのか。

 ニューズデイ紙は、「約4万6056人のファンが金曜日の夜、大谷を堪能しようとヤンキースタジアムにやってきた。チケット完売は今季5度目。新しい野球の先駆者として注目を集め、アナハイムからブロンクスにたどり着いた魅惑の二刀流をこの目で見るために。だが、ファンはヤンキースにも特別な才能を持つ選手がいることを認識して球場を後にした」と伝え、7回に決勝本塁打を放ったヤンキースのグレイバー・トーレスを引き立てることを忘れていなかった。
 同紙によると「トーレスと大谷は打撃統計において類似点を持つ」という。

Nj.comは、「ヤンキースのトーレスの雄姿が大谷の影を薄くさせた」との見出しで試合をレポートした。その記事の中で「OHTANI」との小見出しを入れ大谷の動向を紹介、8回のチャップマンとの対決シーンをクローズアップした。

「大谷は、8回にヤンキースファンの心臓を飛び上がらせた。彼は走者をおいてチャプマンの100マイル(約161キロ)の速球を捉えて左翼席へ打ち込んだ。だが、その打球は、わずかにファウル。最後はショートゴロに打ち取った」と、わずかにファウルとなった本塁打性の大飛球を伝えた。

また同紙は、「大谷は打席に向かうごとにブーイングを浴びた。ヤンキースは、オフに100マイル(約161キロ)の速球を投げる先発投手として大谷との契約を大いに望んだ。だが、彼は大市場のチームでのプレーを望まず、東海岸も望まないと複数の球団に伝えエンゼルスを選んでいた」と、オフのヤンキースと大谷との因縁についても紹介している。

ニューヨーク・デイリーニューズ紙は、「トーレスがヤンキースに大谷の穴を忘れさせる」との見出しで、「ア・リーグで華々しく上昇している2人の新人王候補が初めて遭遇した。大谷が4回に二塁に到達したときに初めて挨拶を交わした」と、2人のルーキーに注目。

 大谷の「この球場には多くの歴史がある。野球をやっている誰もがここで、いつかプレーをしたいと望んでいる」と通訳を介したコメントを紹介した。

 同紙は「もちろん(ここでのプレーを望んでいるのは)全員ではない」と、オフに足蹴にされた大谷を皮肉交じりに記し、「特にエンゼルスの広報は、試合後の会見で、このオフに大谷が面会もせずにヤンキースを移籍先の選考外にしたことに関する質問を受け付けなかった。彼は春のキャンプ以来、こうした質問に答えてこなかった」とライバル球団の広報と大谷の姿勢を批判した。

  大谷の日曜日の先発予定が変更となり田中将大との直接の投手戦が消えてしまったことについては、「この本塁打天国の球場で、ヤンキース打線と対峙すること、またシリーズの最終戦に必見の対戦だった同郷の田中との対戦を意図的に避けたと責めるつもりはない」と、やんわりと皮肉を書いた上で、「リーグでトップの新人2人の対決ではトーレスが初戦で見出しを飾った」とヤンキースの新人トーレスを持ちあげた。

 一方、エンゼルスの地元紙であるオレンジカウンティー・レジスター紙は、ヤンキース戦での先発が消えた大谷について《なんて臆病者だ!》と書いたニューヨーク・デイリーニューズ紙を、水原一平通訳が金曜の夜にクラブハウスの大谷の椅子の上に置いたというエピソードを紹介。
「(新聞は)見たくはなかったが、見ざるを得なかった。ブーイングは初めてではないので慣れている。黙らせたいと思ってやっている」という大谷のコメントを伝えた。
 東海岸で活躍してこそ大谷の二刀流フィーバーが全米レベルに広がると言われている。厳しいNYメディアも大谷に注目している。