清水(左)と八重樫(右)が8月17日にダブル世界前哨戦に挑む。“激闘王”の八重樫は負けたら引退、勝てば世界のサバイバルマッチ

元3階級王者の八重樫東(35、大橋)が8月17日に後楽園ホールで前WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級寝王者の向井寛史(32、六島)と負けたら引退、勝てば世界の究極マッチを行うことが28日、発表された。両者共に後のない「サバイバルマッチ」。またダブルメーンイベントとしてロンドン五輪銅メダリストでOPBF東洋太平洋フェザー級王者の清水聡(32、大橋)が、同級10位の河村真吾(27、堺東ミツキ)との3度目の防衛戦を行う。この試合も世界挑戦への最終テストとなる。

 八重樫vs向井。なんともボクシングファンにとって楽しみな好カードを組んだものだ。話を持ちかけたのは大橋会長。「スーパーフライ級で八重樫がどの程度やれるのか。4階級制覇を目指すなら、ファンも本人も、そして僕も納得するカードを組まなければ意味がない。勝った方が世界へ行くサバイバルマッチになる」と、2013年4月にWBC世界フライ級王者の五十嵐俊幸(帝拳)に挑戦して王座奪取して以来、5年ぶりとなる日本人対決をマッチメイクした。
 一方の向井陣営は、当初、昨年12月に取り返したWBOアジアパシフィックのスーパーフライ級王座の防衛戦を船井龍一(ワタナベ)と行う方向でいたので、ずいぶんと苦悩したようだが、全国区の八重樫に勝つメリットを優先、今回の好カードが実現した。向井陣営は船井サイドへ仁義を切ってタイトルを返上したため、スーパーフライ級契約のノンタイトル戦となるが、玄人好みの最高のノンタイトル戦になりそうだ。
 
 この日、先に横浜で会見に臨んだ八重樫は、こう決意表明をした。

「もう後がない。負けたらおしまいってことはわかっている。どこまでいけるかわからないが、やるだけです。スーパーフライ級は僕の土俵ではなく、相手の土俵なんで、そこで相撲を取らせてもらうなら、日本人は避けては通れない。そこの人間とちゃんと勝負をしないといけない。日本人対決は気持ちを引き上げてくれる材料になる。やってくれる向井君の心意気もありがたい。だからこそ、ベストな状態で臨みたい」

 昨年5月にミラン・メリンド(フィリピン)に1回TKO負けを喫して、IBF世界ライトフライ級のタイトルを失い、3月に約1年ぶりに復帰リングに立ち、フランス・ダムール・パルー(インドネシア)に2回TKO勝利したが、その内容は、1年のブランクの影響がもろに出たもので、あやうさの残るものだった。
 それだけに、この試合は、真価を問われるものになり、勝てば日本人初の4階級制覇に前進するが、負ければ引退を決断しなければならなくなる。

 ただ八重樫の知名度は世界的にも響いており、先日は、ロマゴンを粉砕したWBC世界スーパーフライ級王者のシーサケット・ソールンビサイ(タイ)から対戦オファーが届いた。WBA世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)が返上したWBO世界スーパーフライ級王座は、3階級王者、ドニー・ニエテスと同級2位のアストン・パリクテのフィリピン人同士での決定戦になるが、4階級王者の呼び声の高いニエテスが勝てば八重樫が挑戦できるバックグラウンドがあるという。