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 長野県北部で25日夜に発生した地震で震度5強を観測した同県栄村で、29日までに水田の水抜け被害や墓石の倒壊、建物の一部損壊などの被害が出ていることが分かりました。いずれも軽微とされますが、水田の復旧などの具体策はこれから。2011年の東日本大震災の翌日の県北部地震でも被害を受けた村民は「これ以上の被害は経済、精神両面で負担が大きい」と不安の表情です。

【写真】長野・栄村で震度5強 長野北部「特段活発になった印象はない」

2011年地震では村民の8割が避難

[写真]倒れた古い墓石などを整える男性(27日・栄村堺地区)

 気象庁によると、25日午後9時13分に発生した地震は長野県北部の深さ6キロメートルを震源とし、地震の規模を示すマグニチュードは5.2、栄村での最大震度は5強。中部地方から東北地方南部にかけても震度4から1を観測する規模でした。

 栄村ではその後、余震とみられる地震が続き、気象庁は地震発生から1週間程度、大きな地震に注意するよう呼び掛けています。

[写真]水が抜けた水田。向こうの水田は水を満たしている(29日・栄村平滝地区)

 村の調べでは、住宅などの一部損壊18件、道路の被害6件などのほか、村内の水田に張った水が地盤のひび割れで漏水する水抜けが数件、墓石の倒壊も数件確認されています。

 栄村は長野県の最北端に位置する人口2000人に満たない山々に囲まれた村。東日本大震災の翌日3月12日未明に長野・新潟県境を震源とする震度6強、マグニチュード6.7の長野県北部地震で大きな被害を出し、村によると約8割の村民が避難。2004年10月には新潟県中越地震(マグニチュード6.8)もあったことから、村民は相次ぐ地震に戸惑っています。

 今回の地震から2日後の27日に埼玉県から栄村の実家に駆け付けた男性(80)は、村役場などがある市街地に近いJR飯山線・森宮野原駅近くの墓地を訪れ、「幸い墓石は倒壊していなかった」とひと安心。

 しかし「2011年の県北部地震では実家が被害を受け、3000万円で家を建て直した。今回も建物に小さな被害があり、大きな地震がまたあったら経済的にも再起は無理」と不安の表情。「一体どうなるのか。地震のことだから予測もできない」と話していました。

 村南部の堺地区では一部の墓石が倒壊し、墓地を見回る村民の姿も。「卒塔婆を支える石柱などが倒れた」と話す男性(77)は、「県北部地震のときは下から突き上げる地震だったが、今回は横揺れがあった。怖くなり家から飛び出した」と話していました。

 千曲川沿いの平滝地区では水田の地盤が割れて水が漏れる被害があり、県などの関係職員が調査。水田の水が地下に漏れるのを防ぐため地盤から整える作業が必要になると見られ、困難が続きそうです。


■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説