民間登用や行政のスムーズ化などで公証役場の問題が取り上げられるケースが増えています。公証役場はあまり一般には知られていない存在ですが、遺言や会社の設立などにおいては極めて重要な役割を担っています。公証役場にはどのような改善が必要なのでしょうか。

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 公証制度は、会社の定款や遺言書などの重要な契約書について、公証人が内容について正しいことを証明するためのもので、公証人がその職務を行う場所が公証役場です。例えば株式会社を設立するためには、会社の経営に関するルールを定めた定款を作成し、公証人から認証を受ける必要があります。

 政府では起業を促進するため、できるだけ安価で簡素に設立手続きを行えるよう規制緩和を進めていますが、大きな壁になっているのが公証制度です。定款の認証を受けるには、実際に公証役場に出向いて、公証人による面前確認が必要となるほか、認証の手続きには5万円の手数料が必要となります。現在では1円で会社を設立することも可能ですが、公証の手続きだけで5万円がかかってしまいます。

 また、公証役場については民間人を公証人に登用するプランも立案されていますが、現実には民間人の登用はほとんど進んでいません。

 政府の検討会では、スマホやパソコン画面などを通じて面談できるよう改革を進める意向ですが、手数料の引き下げは実現しない模様です。

 一連の改革が進まない最大の理由は、公証役場が検察官と裁判官の最大の天下り先となっているからです。各公証役場が大きな利益を上げられるよう、あえて人数を絞っているという指摘もあり、一部報道では公証人の年収は3000万円にも達するとされています(今はかなり下がっているとの見方もあります)。つまり検察官や裁判官の天下り後の高い年収を確保するため、高い手数料を維持しているという図式です。

 実は日本ではこのような「官」による見えないコストがあちこちに存在しており、これが国内の消費経済をジワジワと圧迫しています。こうした部分にしっかりとメスを入れなければ、本当の意味で経済を回復させることは難しいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)