内田前監督(右)は日大の常務理事を辞任したが、問題は何も解決していない

日大が1日、都内で理事会を開き、アメリカンフットボール部前監督の内田正人氏が同校の常務理事及び理事を辞任したと発表した。「学内外に多大な迷惑をかけたことを理由」に出されていた内田氏からの辞任を5月30日付で承認、決定したという。

 内田氏は、日大の人事部長、保健体育審議会事務局長を兼ねているが、日大の内規により6か月の自宅待機となり、この日、設置が発表された第三者委員会の報告如何では、懲戒処分もあるという。

 内田氏が、常務理事や体育会のトップのまま学内に居座られると、今後もアメフット部に対して“院政”が敷かれる不安があった。とりあえず、その懸念は取り除かれたが、アメフット関係者の間では「内田氏が辞めただけでは、まだ何も変わらない」という声が強い。
 理事の一人である大塚吉兵衛学長が矢面に立たされ、日大の最高トップである田中英壽理事長が、今なお会
見にも応じず、公の場に姿を現さず、何を考えているかが、まったく明らかになっていないためだ。

 筆者の取材では、あろうことか、次期監督には週刊誌に“黒幕”と書かれた某理事を推そうとする動きまであるという。内田前監督の2学年下で、1978年の甲子園ボウルで最優秀守備選手を受賞、翌年はチームの主将を務めた人物で、監督、コーチの一新を求める学生たちは、戦々恐々としているという。

 大塚学長は25日の会見で、次期監督や一新予定のコーチ陣に関して「学生の意見を聞きたい」とも語っていたが、監督の任命責任のある保健体育審議会事務局長である内田氏が自宅待機となったため、現状、誰がどういう形で、次期監督を選ぶのかも決まっていない。

 加えて、この日、日大が同時に設置を発表した第三者委員会についてのレジメを見て唖然とした。スケジュールの欄の結果報告が7月下旬(予定)となっていたのだ。

 関東学生アメリカンフットボール連盟の規律委員会は、フルタイム勤務の理事が一人もいない状況において、映像の分析、検証、通信、音声データの収集、20人に及ぶ関係者の聴取を行い、2週間強で結論を出した。だが、日大の設置した第三者委員会は、調査、結論に2か月もの時間をかけるというのだ。

 設置目的の中に「再発を防止するための対策」とあるので、おそらく大学側は、この答申を待ってチーム改革に乗り出すつもりでいるのだろう。そうなれば新チームの始動は、8月以降にずれこむ。

 関東学連は、来年3月31日までの1シーズンの出場停止処分をチームに科したが、その際、「原因究明を行い、それを踏まえて実効性のある再発防止策を策定、実施し、抜本的なチーム改革、組織改革を断行し、それらが検証委員会によって確認され、理事会で承認されること」を条件に開幕前の解除の可能性を残した。だが、そのデッドラインは「7月末」としていた。にもかかわらず、それらの条件を満たす作業を日大が急ごうとしないため、このままでは9月の今季開幕には、とうてい間に合わなくなったのだ。

 筆者は、直接取材していないが、複数のメディアによると、この日、大塚学長は、文科省への報告後のメディア対応で、今季のリーグ戦復帰に間に合わない可能性について認めたという。