2週間決断を遅らせていればイチローの今季プレーがまだ見れた?!(写真・アフロ)

マリナーズはイチローの未来の決定を急ぎすぎたのかもしれない。

 マリナーズは控え外野手として、デナード・スパンをレイズからトレードで獲得し、 5月28日(日本時間)に選手登録した。

 空席だった控え外野手の枠は、本来は内野手の控えであるアンドリュー・ロマインとマイナーからジョン・アンドレオリを昇格させて対応していたが、その場凌ぎにも限界があったか。

 イチローがロースターを外れ、会長付特別補佐に就任したのが5月2日のこと。その頃、ないない、と言われていた控え外野手の枠がたった2週間で空き、すったもんだの末、トレードで補充という形に落ち着いた。

 発端はロビンソン・カノの長期離脱。5月13日、死球により右手の小指を骨折し、1ヶ月程度は欠場するのではと報じられたその2日後、禁止薬物の使用で80試合の出場停止処分が下された。

 結果、センターのディー・ゴードンが、マーリンズ時代に守り、ゴールドグラブ賞を獲得したこともある二塁へ再コンバート。控え外野手だったギジェルモ・エレディアがセンターに回ったことで、4番目の外野手がいなくなった。

 マリナーズはゴードンに二塁の勘を取り戻すための時間を数日与え、その間はゴードン・ベッカムを昇格させて対応。5月18日から二塁を守り始めたゴードンだったが、痛めていた右足の親指を5月20日の試合で再発させ、今は、故障者リストに入っている。

 本来、内野の控えに回る予定だったベッカムが今もスタメンに名を連ねている背景にはそんな事情があるが、代わってロマインが内野の控えに。伴って外野の控えが空席になると、マイナーからアンドレオリを上げ、その後、スパン獲得に踏み切った。

 そんな一連の流れの中で、イチローじゃだめなのか? という声もあったが、関係者に聞けば、「やはり、今季中の復帰は無理」とのこと。

 実は、ロースターを外す前の段階で、マリナーズもそうした選択肢を模索。例えば、9月にロースターが拡大されるタイミングで再登録が可能かどうか、大リーグ機構に確認したのだという。しかし、一度フロントオフィスに入った人間が、その年に再び現役選手として復帰することは出来ないという回答があり、断念。今回もアクシデントが重なったとはいえ、例外は認められなかった。

 であるなら、今回のようなことも想定して、もっと柔軟な対応が出来なかったか、ということにもなるが、そのことはなおさら、カノの一件で実感することになる。

 というのも、カノは、開幕前の検査で禁止薬物の陽性反応が出ていたという。シーズンオフという話さえある。出場停止処分が5月15日になったのは、カノがアピール(異議申し立て)していたからで、その間は大リーグ機構も出場停止処分を下すことは出来ず、意図的であることを彼らが証明する必要があったが、今回、十分な証拠が集まり、カノもそれを覆せないと判断したことで、15日に予定されていた聴聞会も流れた。