日本政府がとうとう外国人労働者の本格的な受け入れに舵を切ることになりそうです。これまで外国人労働者の受け入れは、建前上は、高度な専門知識を持つ人に限定してきました。しかし、単純労働に従事する外国人がいなければ企業の業務が回らないというのが現実であり、政府は実態に合わせて政策を修正した格好です。

写真:アフロ

 日本にはすでに130万人近くの外国人労働者が働いており、彼等抜きでは経済運営はもはや不可能というレベルにまで浸透しています。そうであるにもかかわらず、日本の世論は外国人労働者に対して否定的であり、政府はこうした事情を配慮して、高度な専門知識を持つ人だけを受け入れるという方針を掲げていました。

 しかし実際に日本での就労を希望しているのは高度人材ではなく、ほとんどが単純作業に従事する労働者です。こうした人たちについては、技能実習という制度を設け、実習という名目で受け入れを進めてきました。しかしながら、実習というのはあくまで建前の話であって、現実には単純労働者の受け入れです。

 しかも、技能実習制度をめぐっては賃金の未払いや劣悪な労働環境の強要など、海外から人権問題として指摘される事例も出ていました。こうした場当たり的な対応はもはや限界に来ており、政府は5分野で50万人以上の労働者を受け入れる方針を固めました。この方針は6月にとりまとめられる経済財政運営の基本方針(いわゆる骨太の方針)に明記される見込みです。

 これまでは実習以外の名目では受け入れを行っていなかったことを考えると、大きな政策転換といえそうです。事実上、日本は外国人労働者の受け入れに舵を切ったと考えてよいでしょう。

 この動きは以前から報道されているのですが、外国人労働者の受け入れに強く反対しているはずの保守派と呼ばれる人たちからは大きな反発が起こっていません。その理由は安倍首相自身が外国人労働者の受け入れに前向きなことと関係しているようです。

 安倍首相は今年2月の経済財政諮問会議において、外国人労働者の受け入れ拡大策を具体的に検討するよう指示しており、これをきっかけに本格的な受け入れ策の検討が進められてきました。保守派の一部は、思想というよりも安倍氏を強く支持しているとも言われており、外国人労働者の受け入れに積極的な安倍氏の方針を尊重しているものと思われます。

(The Capital Tribune Japan)