[写真]リュウグウ到着を目指す「はやぶさ2」の現状について会見する吉川ミッションマネージャ(右)と西山氏

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、JAXA東京事務所(東京都千代田区)で会見し、小惑星探査機「はやぶさ2」が目的地である小惑星「Ryugu」(リュウグウ)に到着する予定日を6月27日前後だと発表した。

 JAXA「はやぶさ2」プロジェクトチームの吉川真(まこと)ミッションマネージャは「いよいよミッションの本番に差し掛かった。目的はリュウグウの探査。小惑星に正確にたどりつけるか。小惑星がどういうものか。これから分かってくる。半分はワクワクしているが、半分は緊張している」と気を引き締めた。

【中継録画】小惑星リュウグウに接近「はやぶさ2」の現状は? JAXAが会見

精密な誘導と惑星の有無がカギ

[イメージ]宇宙空間での「はやぶさ2」イメージ図(提供:池下章裕)

 「はやぶさ2」は2014年12月にH2Aロケットで打上げられ、約3年半かけて地球から約3億キロ離れたリュウグウを目指している。

 高推進力のイオンエンジンは6月3日に運転終了し、現在は時折、化学エンジンを使いながらリュウグウへの接近誘導を行っている。イオンエンジン担当の西山和孝氏は、小惑星イトカワのサンプルを持ち帰った先代の「はやぶさ」と比較しても「極めて安定して作動した」と胸を張った。

[写真]「はやぶさ2」ミッションへの期待と緊張を語る吉川ミッションマネージャ

 6月7日現在、「はやぶさ2」からリュウグウの距離は約2100キロ。6月27日前後と予想される小惑星到着時の高度は20キロ程度になる。ただ航行状況などによって到着が数日ずれる可能性もある。

 吉川氏は、到着に向けて2つのポイントを挙げる。一つは精密な誘導。もう一つはリュウグウの周辺に惑星があるかどうかだ。誘導については、探査機に搭載したカメラなどで小惑星を確認しながら接近する「光学電波複合航法」という手法を用いるが、これをいかに正確にできるかがカギになる。衛星の有無については、現時点ではないだろうと予測しているものの、もし存在した場合は探査機と衝突するリスクがあり、「はやぶさ2」の運用や接近の軌道に影響が出る可能性があるという。

[写真]2018年6月6日に「はやぶさ2」の光学航法カメラで撮影されたリュウグウ。露出を長くしてあり、実際はこれほど光ってはいないという(画像提供:JAXA、京都大学、日本スペースガード協会、ソウル大学、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研)

 リュウグウは、地球に接近する軌道を持つ小惑星の一つで、1999年5月に発見された。大きさは直径約900メートル(イトカワの約2倍)、形はほぼ球形と推定されているが、確かなことはまだ分かっていない。吉川氏も、これから予定通り接近に成功して「是が非でもちゃんとしたリュウグウが見たい」とはやぶさ2の探査の成果に期待を寄せる。

 はやぶさ2のミッションスケジュールによると、7月末に高度5キロまで、8月にはさらに1キロまで降下して観測。今年秋から来年夏までにかけては、複数回にわたり、リュウグウの地表に小型ローバ(探査車)を投入したり、リュウグウ表面の物質を採取(タッチダウン)したりして観測を進める。来年11月から12月にかけて、リュウグウを出発し、1年後の2020年末に地球に帰還する予定だ。

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