阪神と契約合意したデトロイト・タイガース時代のナバーロ。広角打法が売りの左打者だ(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 簡単な話のはずだった。

 8日(日本時間9日)午後2時前、アイオワ州デモインにあるアイオワ・カブスの本拠地に到着。まだ、選手と接触できる時間ではないため、球団広報に事情を話して、阪神が獲得に乗り出しているという情報の入ったエフレン・ナバーロ内野手の取材を申し込む。その時は、「午後2時からチームの写真撮影があるから、終わったら聞いてみる」との返事。「それまで、記者席で待っていてください」。

 その口ぶりは、お安い御用です、とでも言わんばかり。言われた通り記者席で待っていると、広報からテキストメッセージが届く。

「まず、代理人に聞いてみるそうです」

 単に阪神との交渉の行方を聞くのか、メディアと話をしていいのかを確認するのか。阪神との交渉が最終段階だとすれば、「今、話すのは得策ではない」と代理人から指示される可能性もある。

 10分以上過ぎてから、再びメッセージが届く。

「まだ、話してます」

 この時点で雲行きが怪しくなったが、そのさらに10分後、こう連絡があった。

「話すことが出来ないと言ってます」

 後者だった。

 こうなると取材が難しく、試合前の打撃練習終了後、彼がレフトフェンスの裏手にあるクラブハウスへ戻るときにぶら下がったが、「だめだ。話せないんだ」、「何を聞かれても答えられない」と取り付く島もない。警戒感がありありとうかがえた。

 そんな状況で、ナバーロの人となりなどを教えてくれたのが、アイオワ・カブスの監督や地元記者らだったが、2日後に独立リーグのセントポール・セインツの試合を見に行ったとき、ナバーロがエンゼルス時代に対戦し、マリナーズ傘下の3Aでチームメートだったトム・ウィルヘルムセンの評価が参考になった。

「打者としては、広角に打てる。大きいのはないかもしれないけど、そうして率を稼ぐタイプ」

 実際、データ(イラスト参照)はそのことを示していた。