[写真]金融政策決定会合後に会見した日銀・黒田総裁(ロイター/アフロ)

 日本銀行は15日の金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利(10年物国債金利)をゼロ%程度に抑える現行の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」政策の維持を決めた。黒田東彦(はるひこ)総裁は決定会合後の午後3時半から会見し、決定した政策の内容について説明した。

※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「【中継録画】日銀・黒田総裁が決定会合後に記者会見(2018年6月15日)」に対応しております。

【写真】日銀・黒田総裁会見6月15日(全文2)物価上がらない要因に「生産性向上」も

金融政策決定会合での決定内容は?

時事通信:時事通信社の【カワムラ 00:00:22】です。幹事社を務めております。よろしくお願いします。幹事社から3点ほど質問させていただきます。まず第1点が本日の決定会合の決定内容について、あらためて説明をいただきたいんですが、よろしくお願いします。

黒田:はい。本日の決定会合では長短金利操作、いわゆるイールドカーブ・コントロールの下で、これまでの金融市場調節方針を維持することを賛成多数で決定しました。すなわち短期金利について日本銀行当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%のマイナス金利を適用するとともに、長期金利について10年物国債金利が0%程度で推移するよう長期国債の買い入れを行います。また長期国債以外の資産買い入れに関しては、これまでの買い入れ方針を継続することを全員一致で決定しました。

 わが国の景気の現状については所得から支出への前向きの循環メカニズムが働く下で緩やかに拡大していると判断しました。やや詳しく申し上げますと海外経済は総じて見れば着実な成長が続いています。そうした下で輸出は増加基調にあります。国内需要の面では設備投資は企業収益や業況感が改善基調を維持する中で増加傾向を続けています。個人消費は雇用・所得環境の着実な改善を背景に、振れを伴いながらも緩やかに増加しています。住宅投資は弱含んで推移しています。この間、公共投資は高めの水準を維持しつつ横ばい圏内で推移しています。

 以上の内外需要の増加を反映して鉱工業生産は増加基調にあり、労働需給は着実な引き締まりを続けています。また金融環境については極めて緩和した状態にあります。先行きについては、わが国経済は緩やかな拡大を続けるとみられます。国内需要は極めて緩和的な金融環境や政府支出による下支えなどを背景に企業、家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続する下で増加基調をたどると考えられます。輸出も海外経済の着実な成長を背景として、基調として緩やかな増加を続けるとみられます。物価面では生鮮食品を除く消費者物価の前年比は0%台後半となっています。予想物価上昇率は横ばい圏内で推移しています。先行きについては消費者物価の前年比はマクロ的な需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景にプラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられます。

 リスク要因としては米国の経済政策運営や、それが国際金融市場に及ぼす影響、新興国・資源国経済の動向、英国のEU離脱交渉の展開やその影響、地政学的リスクなどが挙げられます。日本銀行は2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続します。また生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続します。今後とも経済・物価・金融情勢を踏まえ、物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するため必要な政策の調整を行います。